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『フロム・ダスク・ティル・ドーン』痛快アクション、戦うヒロイン、新技術の活用。R・ロドリゲス進化の原点 ※注!ネタバレ含みます。
2019.02.05
※本記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』あらすじ
凶悪な強盗犯兄弟は、警察の追及を振り切るべく、トレーラーハウスで旅をする牧師一家を脅して連れ去り、国境を突破するための隠れ蓑に利用する。メキシコ国境警備を通過した一行は、兄弟が仲間と落ち合う予定の酒場「ティティ・ツイスター」に向かったが、その場所で悪名高い常連たちと対峙してしまい、彼らは生き残りをかけて人質と組んで戦うことに!
Index
始まって1時間で切り替わるジャンル
アクション、コメディ、ホラーといった「娯楽作」と大きく括られるジャンルの映画を分け隔てなく好み、バイオレンス描写も嫌いではない人が、もしロバート・ロドリゲス監督の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(96)をまだ観ていないなら、ある意味で幸運と言えるだろう。何の先入観もなしに観始めると、途中でまったく別のジャンルの映画に切り替わるという、めったに出会えない新鮮な驚きを味わうチャンスがあるからだ。
そんな幸運な人がこの記事を読み出していたら、悪いことは言わない。ページをただちに閉じ、予備知識を仕入れたりせずに、ネット配信でもレンタルでもいいから無心の境地で本編の鑑賞に進んでいただきたい。配信サイトやパッケージにある紹介文や画像も、意識して避けるようにしよう。事前に予告編動画を見るなどもってのほか。本作のとっておきのサプライズを、自らスポイルしてしまうことになるからだ。
次のページからは、読者が鑑賞済みであることを前提に、作品後半のジャンルにも具体的に触れていく。