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時の法則に逆らい、映画の法則も覆した『ある日どこかで』が長く愛される理由とは

時の法則に逆らい、映画の法則も覆した『ある日どこかで』が長く愛される理由とは


 タイムトラベルとラブロマンス。夢見がちの人は無条件で大好きだが、現実派は聞いただけでスルーする。そんなある意味危険な2つの要素を組み合わせて、結果的に今も語り継がれるカルト作品となっているのが、『ある日どこかで』(80)だ。だが、主演のジェーン・シーモアによると、当時、配給元のユニバーサルは製作費約500万ドルの小品になど最初から期待してなかったという。同じ年に大ヒット必至の『ブルース・ブラザーズ』(80)の公開を控えていたからだ。おかげで、シーモアも共演のクリストファー・リーブも映画のキャンペーンすら出来なかったとか。ちょうど、公開時期が俳優組合のストライキと重なった不運もあったかもしれない。


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公開終了後、口コミで広がって今やカルトに



 ハリウッドでは稀にある予想外のヒットとも違う。なぜなら、『ある日どこかで』は最終的に全米で970万ドルの興収しか挙げてないのだ。ただし、「劇場では」である。潮目が変わったのは公開終了後。ケーブルテレビでの放送やレンタルビデオによって徐々に口コミで広がり、いつしか"Tear-Jerker"(少々聞こえは悪いが"お涙頂戴"の意)映画のマスターピースとして語り継がれる存在になった。2010年の"午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本"の1本にも選ばれているし、何と、映画のファンクラブまであるくらいだ(後述)。


 タイムトラベルとラブロマンスの融合を思いついたのは原作者のリチャード・マシスンだ。スティーブン・スピルバーグの『激突!』(71)の脚本で知られるマシスンの最高傑作と称されるのが、SF小説の"Bid Time Return"(75)。物語は、旅先のホテルに飾られていた往年の人気女優の写真を見て、あまりの美しさに衝撃を受けたマシスンの実体験に基づいているという。



(C) 1980 Universal Studios. All Rights Reserved. 


 キーとなるのは、その時マシスンの頭に浮かんだいかにもSF作家らしいアイディアだ。もしも、タイムスリップして彼女に会えたら。。。マシスン自身が脚色にしたシナリオは、やがてヤノット・シュワルツ監督の手に渡り、監督の意向により『Somewhere in Time』と改題され、細々と市場に放たれることとなる。


 Somewhere in Time。この時間のどこかで、きっと出会える。そう信じた主人公、リチャード(リーブ)が、写真に写っていたその人(シーモア)の待つ時代へ飛び、愛を全うしようとする。しかし、そもそも時空旅行にはパラドクスがつきもの。リチャードの命を賭けた旅も、やはり例外ではなかった。



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