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あなたも空を翔べる!様々な技術が投入された『スーパーマン』の特殊効果

あなたも空を翔べる!様々な技術が投入された『スーパーマン』の特殊効果


 どのタイミングで公開するかによって、映画の運命は変わる。1979年の夏、日本では2本のSFXを駆使した大作映画が相次いで公開された。6月23日に『スーパーマン』、翌7月21日には『エイリアン』が封切られた。 


 全米では、前年の1978年12月15日に『スーパーマン』が、『エイリアン』は1979年5月25日公開である。この半年近いタイムラグによって、78年度のアカデミー特別業績賞(視覚効果)は『スーパーマン』が受賞し、翌年の視覚効果賞は『エイリアン』が手にした。もし、『スーパーマン』の公開が1年前だったとしても、1977年度の視覚効果賞は、『スター・ウォーズ』と『未知との遭遇』がノミネートされて前者が受賞していたのだから、SFXのエポックメイキングとなる二大巨塔を前にすれば、『スーパーマン』に勝ち目があったかどうか。


 実際、『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『エイリアン』と比較して、同時代に作られた『スーパーマン』のSFXは様々な技術が投入されたにも関わらず、今では話題になることは少ない。では、具体的にどんな技術が用いられていたのだろうか。


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『スーパーマン』の特殊効果〜非現実とリアリティ



 クリプトン星から幕を開ける『スーパーマン』は、のっけから非現実的な世界が広がっているだけに、地球外の高度な文明を持つ星をどんなイメージで作り出すかによって、映画の最初の印象が決まってしまう。それには特撮もさることながら、マーロン・ブランドが登場するクリプトン星の本編部分も影響してくる。撮影監督のジェフリー・アンスワースは、『2001年宇宙の旅』(68)、『オリエント急行殺人事件』(74)などを手がけた名キャメラマンだが、クリプトン星を過剰なまでにスモークをくゆらせた空間にし、ハイライトを抑える際に使用するディフュージョン・フィルターによって幻想的な映像を生み出している。この場面でブランドたちは独特の発光する衣装をまとっているが、これは後述するフロント・プロジェクション用の反射物質で作られたもので、キャメラと接続された調光器で照明が設定されることで独特の光を全身にまとうことが可能となる。




 こうした本編部分での特殊効果とは別に、ミニチュアによる特撮チームも重要な役割を果たしている。ところが、監督のリチャード・ドナーは、これまで特撮に関して良い印象を持っていなかったという。それが本作のある特撮シーンのラッシュを観て、すっかり考えを改めた。それはサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジが地震によって大きな揺れに遭遇し、橋上のスクールバスが転落の危機に瀕するシーンだった。実際、今見てもディテールといい重量感といい、特撮とは思えないほど完成度が高い。このミニチュアを中心とした特撮監督を務めたのは、デレク・メディングス。『サンダーバード』『謎の円盤UFO』などのジェリー・アンダーソンがプロデュースした作品に携わり、70年代の007シリーズの特殊効果でその名が知られるようになった。このゴールデン・ゲート・ブリッジのミニチュアは、18メートルの長さがある巨大なもので、橋の上の車も実物から忠実に縮尺が計算されており、遠方に見えるサンフランシスコの市街も作り込まれている緻密なもので、一見するとミニチュアに見えない。


 こうした大きなミニチュアの製作が更に効果を上げたのが、フーバーダムが決壊する場面だ。高さ12メートルの巨大なダムのセットが作られ、貯水が吹き出るシーンでは、水槽に用意された水だけでは勢いが衰えるので、6台の放水ポンプが水槽に水を補給し続けることで、大迫力のダム決壊を作り出しており、スーパーマンが立ち向かう難関を特撮のスペクタクルによって、見事に後押ししている。



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