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50年代究極の娯楽作『北北西に進路を取れ』に見るヒッチコックの監督術

50年代究極の娯楽作『北北西に進路を取れ』に見るヒッチコックの監督術


※本記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


ヒッチコックの集大成的なエンタテインメント大作



 かなり仰々しいタイトルを付けてしまったが、何もヒッチコックについての知識をひけらかしたいわけではない。むしろ私はヒッチコックについてあまりに知らなすぎる。それゆえまだ取り返しのつくうちに、この映画の神様が築き上げた世界を一本でも多く紐解いてみたいと思った。鑑賞のお供はもちろんこの一冊。ヒッチコックとトリュフォーの対談形式で綴られた名著「映画術」(この本の影響力については、ドキュメンタリー映画『ヒッチコック/トリュフォー』(15)に詳しい)である。


 とはいえ肝心なのは、手始めにどの作品を選ぶかだ。そこでヒッチコックにも詳しい同業者にオススメの入門編を尋ねたところ、真っ先に挙げてくれたのが『北北西に進路を取れ』(59)だった。ヒッチコック作品の中でも5本の指に入る人気作にして、50年代を代表する娯楽作。アメリカ時代における集大成的な作品でもあるのだとか。


 これがいざ観始めると・・・もう止まらない。面白すぎる。60年前に作られたクラシックでありながら、その鮮烈さ、インパクトは現代の映画の数段上をいっている。冒頭のソール・バスによるタイトルバック、バーナード・ハーマンの畳み掛けるような音楽に乗せて、ニューヨークのビル群から大量に吐き出されてくる人、人、人。その中に主役のケイリー・グラントの姿を見つけるや、もうその時点からコミカルでチャーミングな彼の魅力に引き込まれてやまない。そうして彼がタクシーで向かった先のホテルで発生するジョージ・キャプランなる人物との「人違い」を合図に、本作の究極の追いかけっこがスタートする。この臨戦態勢が開始10分で整うのだから、いかにヒッチコックが無駄を削ぎ落として観客をスピーディーに本流に巻き込んでいくのかがよくわかる。





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