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感情と絆を如何に描くか? 超大作シリーズに新たな魂を吹き込んだ『バンブルビー』脚本家×監督のバトンリレー

感情と絆を如何に描くか? 超大作シリーズに新たな魂を吹き込んだ『バンブルビー』脚本家×監督のバトンリレー


感情を描いたからこそ成立したフレッシュなストーリー



 このように「感情」を基盤として丁寧に構築された本作は、どんな最新鋭のCGアクションにも劣らぬ、最高にフレッシュな映像体験となって我々を楽しませてくれる。チャーリーとバンブルビーというキャラクターがきちんと描けているからこそ、二人の心はお互いを映し出す鏡のように機能しあい、なおいっそう深みと奥行きのあるストーリーを醸成していくのだろう。


 思えば、冒頭、バンブルビーは故郷の崩壊というある種の絶望を味わい、そして少女もまた最愛の父の死を経験し、各々の心は本来の自分とだいぶ異なる形へとトランスフォームしてしまっている。




 そんな中で出会い、互いの心の喪失感やフィジカルな限界などを埋めながら、本来の自分の姿を取り戻していく二人。また、自分の心を素直に表現できないもどかしさを代弁するかのように、本作では80年代の色とりどりの音楽や映像が鳴り響く。声を失ったバンブルビーもこれと同じで、音楽や映像を用いて相手に想いを伝えようとする。そうやって互いは言葉を超えて寄り添い、分かり合い、共に危機を乗り越えるたびに痛みは少しずつ癒えていく。


 それは「初めての車」の物語であり、どこか飼い主と子犬の物語のようでもあり、なおかつホドソンやナイトが愛してやまなかった「ETとエリオット少年の物語」の変奏曲とも言えるだろう。異世界との遭遇というテーマにおいても、『未知との遭遇』(77)など、大先輩スピルバーグへのオマージュもちりばめられている。




 従来に比べると、スケールは圧倒的に小さい。が、この小さな奇跡の物語は、映画でいちばん重要なのは“感情”であることを力強く教えてくれる。宇宙の果てから遥々と旅してきた『トランスフォーマー』シリーズは、幾多のカオスと苦難をくぐり抜け、今はじめてその地平線へたどり着いたのだ。



<参考URL>

https://www.slashfilm.com/christina-hodson-interview-bumblebee/

https://www.latimes.com/entertainment/herocomplex/la-et-hc-bumblebee-80s-references-christina-hodson-20181222-story.html

https://www.nytimes.com/2019/01/11/movies/bumblebee-transformers-travis-knight.html

https://www.indiewire.com/2018/12/bumblebee-travis-knights-animation-background-gave-real-emotion-to-transformers-1202029539/



文: 牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。



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作品情報を見る



『バンブルビー』

3月22日(金) 全国ロードショー

配給:東和ピクチャーズ 

公式サイト: https://bumblebeemovie.jp/

(c) 2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (c) 2018 Hasbro. All Rights Reserved.


※2019年4月記事掲載時の情報です。

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