2021.04.07
『ショート・サーキット』あらすじ
軍用目的で開発された人口知能搭載のロボット「S.A.I.N.T.(セイント)」。充電中の落雷事故により5台の内「ナンバー5」に異常が発生し、施設から脱走してしまう。ナンバー5は、捨てられた動物を保護せずにはいられない優しいステファニーの家にたどり着く。ステファニーはナンバー5を宇宙からの使者だと勘違いし、甲斐甲斐しく面倒を見るのだが、ボディに刻印された社名を見つけ、引き取ってもらおうとノヴァ社に連絡する。回収を命じられた警備主任のスクローダーはロボットを快く思っておらず、見つけ次第破壊するつもりでステファニーの元へ向かう。同時に、開発者のニュートンは、自我を持ったらしいナンバー5を研究するため、スクローダーよりも先に回収しようとステファニーの元へ急ぐのだった。
社会現象とも言える特大ヒットを記録した映画は、いわゆる「パクリ映画」を生み出すことがある。そういった映画は概ね、ブームの恩恵を受けようと短いスケジュールで粗製乱造されるので、ヒドい代物が多い。ただ、そんな作品群の中にも、本家に勝るとも劣らない優れた作品が生まれる事がある。
Index
- 『ショート・サーキット』が内包する3つのテーマ
- 『E.T.』のハートウォーミング
- コメディ基礎教養としての「三ばか大将」
- 生命と自我を問う『フランケンシュタイン』と、オチなかったジョーク
- フューチャリスト・デザイナー、シド・ミード
『ショート・サーキット』が内包する3つのテーマ
軍事企業「ノヴァ」社主催のデモンストレーションで圧倒的な戦闘力を見せつけた、人口知能搭載の軍用ロボット「S.A.I.N.T.(セイント)」。充電中の落雷事故により5台の内「ナンバー5」に異常が発生する。偶然施設の外へ出てしまったナンバー5はプログラムや司令センターからの帰還命令を無視し「インプット! インプット!」と繰り返し、あげく回収に来た警備担当者を撒いて逃げてしまう。
『ショート・サーキット』予告
ナンバー5は逃避行の末、捨てられた動物を保護せずにはいられない優しいステファニーの家にたどり着く。ステファニーはナンバー5を宇宙からの使者だと勘違いし、甲斐甲斐しく面倒を見るのだが、ボディに刻印された社名を見つけ、引き取ってもらおうとノヴァ社に連絡する。回収を命じられた警備主任のスクローダーはロボットを快く思っておらず、見つけ次第破壊するつもりでステファニーの元へ向かう。同時に、開発者のニュートンは、自我を持ったらしいナンバー5を研究するため、スクローダーよりも先に回収しようとステファニーの元へ急ぐ。
『ショート・サーキット』(86)は、「自我を持った戦闘ロボットの逃走」という設定で、サスペンスフルな逃亡劇もあるが、出来上がりは大人から子供まで楽しめる「ファミリー向け」の「コメディ」映画になっている。加えて生命や自我といった概念の定義を迫る「哲学的」なテーマをも内包している。
そしてこれら「ファミリー向け」「コメディ」「哲学的」3つのテーマには、大きな影響を及ぼしたであろう作品がそれぞれ存在する。