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クラシック・ホラー『チャイルド・プレイ』斬新なアイデアとチャッキー誕生の秘密

クラシック・ホラー『チャイルド・プレイ』斬新なアイデアとチャッキー誕生の秘密

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殺人ドールに扮したスタント俳優の存在



 今でこそCGI/VFXを駆使するデジタル処理は当たり前だが、本作『チャイルド・プレイ』の製作当時は、まだまだアナログな特殊撮影、すなわちSFXが主流だった。作中のチャッキー人形をどのように表現したかというと、その技法はさまざまで、なにも動かないダミーの人形から、無数のワイヤーを張り巡らせたアニマトロニクス、俳優によるスタントダブルなどだ。無垢でノーマルなグッドガイ人形の描写には、セルロイド製のダミー人形が使用されている。本性を現し、豹変したチャッキー人形には基本的にアニマトロニクスが使用された。


 アニマトロニクスの種類もさらに豊富で、ブーム・アームを用いた歩行用から、正則的な動きを可能とするバッテリー内蔵タイプなど、多岐にわたる。アニマトロニクスを操作するには5人から6人の操り人形師が必要だそうで、ひとりはリップシンクとアゴの動きを担当し、もうひとりは腕や胴体の動きを担う。といった具合で、全員で1体の人形を動かすというのだから、相当な連携、調和が必要になるはずだ。




 ドン・マンシーニの脚本を基に、殺人ドールの立体化を手がけたのは、特殊メイクアーティストのケヴィン・イエーガーだ。チャッキーの細かな表情の変化や、不可能とされた難しい動きをアニマトロニクスで実現し、以降のシリーズにも多大な貢献をもたらした人物だ。まさにチャッキーの生みの親といっていいだろう。


 しかしケヴィンの人形でも撮影困難なシーンがある。そういったシーンの場合は、じつはスタントダブルの小さな俳優が活躍している。俳優のエド・ゲイルは、ジョージ・ルーカス製作総指揮の『ハワード・ザ・ダッグ/暗黒魔王の陰謀』(86)に出演。スーツアクターとして主人公ハワードを好演し、その名を知られるようになる。




 本作『チャイルド・プレイ』ではチャッキーに扮し、暖炉の中の燃えるシーンなど人形では不可能なシーケンスに登場。作中後半、全身火だるまのシーンはエド・ゲイルのスタントってワケだ。エド・ゲイルは通常のチャッキー人形に比べて30パーセント身長が高かった。そのため、室内のセットも通常のサイズと、エド用の30パーセント大きなサイズの2種類が用意された。


 人形とスタントの併用による素晴らしい描法は、デジタルの時代だからこそ再見すべきものだ。



<参考>

『チャイルド・プレイ <最終盤>』(キングレコード)オーディオコメンタリー/映像特典/封入ブックレット



文: Hayato Otsuki

1993年5月生まれ、北海道札幌市出身。ライター、編集者。2016年にライター業をスタートし、現在はコラム、映画評などを様々なメディアに寄稿。作り手のメッセージを俯瞰的に読み取ることで、その作品本来の意図を鋭く分析、解説する。執筆媒体は「THE RIVER」「IGN Japan」「リアルサウンド映画部」など。得意分野はアクション、ファンタジー。



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『チャイルド・プレイ≪最終盤≫』

Blu-ray 7月10日発売

¥10,000+税 

通常版Blu-ray:¥4,800 +税

(c)1988 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.

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