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『第9地区』完全CGでないから実現できた!?“エビ型”宇宙人のリアルな感情表現の秘密とは?

『第9地区』完全CGでないから実現できた!?“エビ型”宇宙人のリアルな感情表現の秘密とは?

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アナログな要素の融合によって生じるリアルな映像世界



 『第9地区』の大きな魅力は、誰もが「あっ!」と驚くVFXやCG映像を加味しながらも、一方でどこかアナログ感の漂うリアルな感触を炸裂させているところにある。 


 あえて手持ちカメラの粗い画像を多用することでドキュメンタリータッチの生々しさが加味され、また随所にこの映画のために撮られたものではない全く別の記録映像を挿入することで、目の前で起こっている映像世界がどこか現実社会と密接にリンクしているようなザワザワ感を引き起こす。これらが相まって突きつけられることで、目の前に浮かぶ巨大な宇宙船も、スラム街で“エビ”のような宇宙人が残飯をかき集めたりする様子なども、全くの絵空事とは到底思えなくなってしまうのである。 


 いうまでもなく、舞台となった南アフリカ自体、アパルトヘイトという負の歴史を持っていて、そこから醸し出されるリアルな香りは今なお拭いがたいものがある。そして冒頭で映し出される記録映像は、「(政情の不安定な)ジンバブエやナイジェリアから南アフリカへと流入してきた難民についてどう思うか?」と問われた住民たちのリアルな回答。また難民や移民に職を奪われることへの不安から大規模な暴動へと発展した様子なども克明に盛り込まれている。これらを「宇宙人に対する住民たちの反応」としてあえて代用して見せることで、本作は“フィクション”の中に何かしら“作り物ではない現実感”を内包することに成功しているのだ。 



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