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時代の変化も『大逆転』させた、才能溢れるエンターテイナーが集結!エディ・マーフィ最高!

(c)Photofest / Getty Images

時代の変化も『大逆転』させた、才能溢れるエンターテイナーが集結!エディ・マーフィ最高!

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集結したコメディ界の精鋭たち



 マーク・トウェインの古典を現代風にアレンジしたのが、監督のジョン・ランディス。当時、『ケンタッキー・フライド・ムービー』(77)『アニマル・ハウス』(78)や『ブルース・ブラザース』(80)というコメディ映画で頭角を現していた若手監督だった。これらの作品はそれぞれ、パロディ映画、学園コメディ映画、ミュージカルコメディ映画と、その後の各ジャンルに多大な影響を及ぼした。コメディ映画を発展させた第一人者で、勢いも才能もあるコメディ映画の鬼才である。


 ジョン・ランディスが主役に選んだのが『ブルース・ブラザース』で組んだダン・エイクロイド。同作でダン・エイクロイドの相棒を演じたジョン・ベルーシは、『大逆転』が公開される頃にはもうこの世にはいなかった。


ダン・エイクロイドとジョン・ベルーシは、伝説のテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」(75〜)のレギュラーとして知られ、ジョン・ランディス作品に出演するようになり、ぐんぐんと人気を得ていく。そのダン・エイクロイドが映画出演で多忙のためレギュラーをシーズン4終了後に抜けたところ、シーズン6から新しいレギュラーに起用されたのが若干19歳のエディ・マーフィであった。


『ブルース・ブラザース』予告


 ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドという人気スターを失った『サタデー・ナイト・ライブ』は、人気が下降すると思われていたが、新進気鋭のエディ・マーフィがそのピンチを救い、さらに番組の人気を上昇させたのだった。そんなダン・エイクロイドとエディ・マーフィが揃ったのが、この『大逆転』なのだ。


 エディ・マーフィが本作に起用された理由は、彼の生まれ持ったコメディの才能が一番にあるのだが、実は時代がそうさせた部分もある。70年代、黒人が主役のブラックスプロイテーション映画というアクション映画が観客を惹きつけた。しかし、白人観客がブラックスプロイテーション映画を見ることは稀だった。そこで考えられたのが、白人と黒人のコンビが主役の「バディ」映画だ。


 当時は、エディ・マーフィの憧れであり目標でもあったリチャード・プライヤーが『大陸横断超特急』(76)や『スター・クレイジー』(80)などでジーン・ワイルダーと組んでヒットを連発、好評を得ていた。そして、エディ・マーフィ自身も、デビュー作『48時間』(82)にてニック・ノルティと共演しヒットさせることに成功した。その後、『大逆転』がアメリカで劇場公開されると、ピープル誌はリチャード・プライヤーとエディ・マーフィを表紙に起用、リチャード・プライヤー後続の出現を感じさせた。ちなみに1998年から始まった「マーク・トウェイン賞」初代受賞者がリチャード・プライヤーで、エディ・マーフィは2015年に受賞している。



『大逆転』(c)Photofest / Getty Images


 映画が批評家から好評を受けたのは、主役の2人のコミカルな演技だ。ダン・エイクロイドが演じたウィンソープが、人生狂わせた後にやさぐれていく姿は今見ても滑稽で面白い。エディ・マーフィも、お得意の早口トークは絶好調で、冒頭のスティービー・ワンダーの真似みたいなシーンは最高だし、その後に暮らしぶりが良くなっていく様が実にスマートで決まっている。ヒロインとなるジェイミー・リー・カーティスのイイ女っぷりは、今も色褪せず魅力的で憧れる。彼女こそ、この映画の主役じゃないかと思うほどにこの映画で輝きを放っている。いつも映画の中で散々な目に遭っているポール・グリーソンは、この映画でもゴリラに絡まれ散々な目に遭っていて面白いし、イギリスの名優デンホルム・エリオットの真面目な執事の真顔も笑いを誘う。デンホルム・エリオットはこの演技で、英国アカデミー賞の助演男優賞を受賞している。ラルフ・ベラミーとドン・アメチーの名演技はいつも通りだ。


 そして、遊び心を忘れないジョン・ランディスの作品らしく、著名人がカメオ出演している。ジョン・ランディス本人、ロックミュージシャンのボー・ディドリー、ジョン・ベルーシの弟ジム・ベルーシ、『サタデー・ナイト・ライブ』の名物脚本家アル・フランケン&トム・デイヴィス、『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)などで知られるジャンカルロ・エスポジートなど、多彩な人物たちが出演するので次回見る時に見つけて欲しい。



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