Index
今なら大炎上?
「これ、今だったら炎上しそう」。この記事を書くために『大逆転』(83)を再見して思った正直な感想だ。しかし、公開された当時は、炎上には至らなかった。少しばかりの批判はあったが、批評家からも概ね好評を得て大ヒット。私も当時、「凄い面白い!エディ・マーフィとジェイミー・リー・カーティス、最高!」と素直に感じたのを覚えているし、今でもそう感じている。
『大逆転』は、本サイトで書いた『星の王子ニューヨークへ行く』(88)のジョン・ランディス監督とエディ・マーフィのコメディ作品である。ハーバード大学出の真面目で優秀なウィンソープ(ダン・エイクロイド)と、道ばたで物乞いをしているバレンタイン(エディ・マーフィ)の立場を、一夜で入れ替えてしまう富豪の老兄弟(ドン・アメチー&ラルフ・ベラミー)。富豪のたった1ドルの掛け遊びのためだけに、ウィンソープとバレンタインの人生が”大逆転”してしまうのだ!
これは、マーク・トウェインの「王子と乞食」の現代版とも言われているストーリーだ。マーク・トウェインといえば、アメリカを代表する作家であるが、アメリカを代表するコメディアンに毎年捧げられる「マーク・トウェイン賞」という名前も使われるくらいユーモリスト(ユーモアのある人)としても有名だ。そして原題の『Trading Places』は、立場を入れ替えるという意味もあるが、この映画の舞台の一つである(先物)取引所のことも意味している。