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リブート版『チャイルド・プレイ』現代テクノロジーの恐怖を描く、新時代のチャッキー映画

リブート版『チャイルド・プレイ』現代テクノロジーの恐怖を描く、新時代のチャッキー映画

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友情に端を発する狂気の殺人事件



 母子家庭で暮らす少年アンディ・バークレー(ガブリエル・べイトマン)は、内向的な性格ゆえに友だちは少なく、毎日を家の中で過ごすような内気な少年だ。母親のカレン(オーブリー・プラザ)は地元の玩具店で働く若いシングルマザーで、息子想いの母親である一方、新しいパートナーを家に招いたりする遊び人な一面も。ある時、母親のカレンは、息子の誕生日にバディ人形をプレゼントする。しかし人形には恐ろしい秘密が隠されていたのだ――。と、リブート版『チャイルド・プレイ』の基本的な設定は、1988年のオリジナル版に準拠している。


 大きく異なるのはチャッキーの存在だ。殺人人形チャッキーと、アンディ少年との関係性には、初代『チャイルド・プレイ』の創始者ドン・マンシーニの幻の脚本が大きく影響しているようだ。その最初の脚本とは、大学時代のマンシーニが1985年に執筆した初代『チャイルド・プレイ』の原案で、当初この原案には「ブラッド・バディ(Blood Buddy)」というタイトルが与えられていた。




 この初稿では、父を亡くした孤独な少年の意識が、次第に人形に宿りだすという内容だった。少年が抱くさまざまな心情を享受した人形は、この少年の怒りの代弁者となり、少年にとって邪魔な人間を次々に殺しはじまるのだ。しかし、である。この最初の脚本はそのまま映画化されることなく、数名の人物による練り直しによって、殺人鬼の魂が宿った殺人人形のホラーとして公開された。それが1988年の『チャイルド・プレイ』だった。


 本作、リブート版『チャイルド・プレイ』の物語は、このドン・マンシーニの幻の原案に非常によく似たストーリーを持っている。作中前半ではチャッキーとアンディ少年というふたりの感情面を掘り下げることによって、これまで恐怖の象徴だったチャッキーを別の角度から描いている。孤独に生きるアンディ少年は、怒りという感情表現が特に苦手な少年だった。マンシーニの原案通り、リブート版の新生チャッキーはアンディ少年の“怒りの権化”として、少年の怒りの矛先となる人物を標的に、殺りくのかぎりを尽くすのだ。




 これまでのシリーズにおけるチャッキーは、単なる殺人人形としてアンディ少年をひたすら追い回す存在だった。反してリブート版ではチャッキーとアンディ少年との間に共犯関係が築かれており、少年はもちろんチャッキーの殺人行動に関しても、同情の余地を感じてしまう。なぜならチャッキーの行動の根本的な動機は、アンディ少年に対する愛情という普遍性からくるものだからだ。



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