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『ファンダンゴ』エルトン・ジョン、スピルバーグ、そしてチェッカーズとの意外な関係とは

『ファンダンゴ』エルトン・ジョン、スピルバーグ、そしてチェッカーズとの意外な関係とは


『ファンダンゴ』と同期する、二人のケヴィンの物語



 『ファンダンゴ』製作当時、監督のケヴィン・レイノルズも主演のケヴィン・コスナーも、映画界ではまだ無名な存在だった。この映画をきっかけに築かれたふたりの友情は、後に『ロビンフッド』(91)や『ウォーターワールド』(95)の監督・主演という関係を導いてゆくことになる。ところが一時、ふたりの関係が悪化したことが、日本でも伝えられていた。そして約17年の歳月を経て、“ふたりのケヴィン”は、2012年のテレビドラマ『宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ』で再度組んでいる。


 ヒストリーチャンネルが製作したこの西部劇は、当時の全米CATV局史上最高の視聴率を記録。ケヴィン・コスナーはゴールデン・グローブ賞とエミー賞のミニシリーズ部門で主演男優賞に輝いている。『ファンダンゴ』は、徴兵や大学卒業、仲違いによって気持ちがバラバラになってしまった仲間たちの絆が、旅を経ることで取り戻されてゆく姿が描かれていた。“ふたりのケヴィン”の和解は、どこか『ファンダンゴ』の物語と同期するのだ。




 前述のシングルレコード「土曜の夜はファンダンゴ」のB面に収録されていたのは「ボーダー・ソング」だった。エルトン・ジョンのアルバム「僕の歌は君の歌」に収録された「人生の壁」という日本語タイトルを持つ楽曲のことである。この曲は、『ファンダンゴ』の劇中では使用されていない。しかし、数多あるエルトン・ジョン楽曲の中から、この曲がシングル盤のカップリングに選ばれたという偶然にも、想いを巡らせずにはいられない点がある。それは、「ボーダー・ソング」が、映画『ロケットマン』にも登場するからだ。


 「ボーダー・ソング」は、エルトン・ジョンの楽曲で多くの作詞を手掛けることになるバーニー・トーピンと意気投合する場面で使用されている。しかし、エルトンとバーニーのふたりもまた、仲違いをして疎遠になってしまうのだ。そんなふたりも後に和解し、関係を修復。再びヒット曲を生み出し、エルトン・ジョン自身も再ブレイクを果たすことになるのだ。そんなことから筆者は、『ロケットマン』を観て『ファンダンゴ』を思い出し、『ファンダンゴ』を観て、また『ロケットマン』のことを思い出す、というループの中に浸っているのである。



【出典】

・IMDB  Elton John 『Fandango』

Box Office Mojo

AMBLIN

・ 『ファンダンゴ』劇場パンフレット

「キネマ旬報」1985年2月下旬号



文:松崎健夫

映画評論家 東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。テレビ・映画の撮影現場を経て、映画専門の執筆業に転向。『ぷらすと』『japanぐる〜ヴ』などテレビ・ラジオ・ネット配信番組に出演中。『キネマ旬報』、『ELLE』、映画の劇場用パンフレットなどに多数寄稿。現在、キネマ旬報ベスト・テン選考委員、ELLEシネマ大賞、田辺・弁慶映画祭、京都国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー部門の審査員を務めている。共著『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)ほか。



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『ファンダンゴ』

DVD ¥1,429 +税

ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

(c) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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