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『パルプ・フィクション』低予算製作でスターたちを動かした真の奇跡とは?

『パルプ・フィクション』低予算製作でスターたちを動かした真の奇跡とは?

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タランティーノという光に吸い寄せられた、スターたちのきらめき



 出演者の中で、当時最大のスターといえば、ブッチにふんしたブルース・ウィリスだろう。『ダイ・ハード』(88)シリーズの大ヒットでノリにノッていた時期だ。『レザボア・ドッグス』を気に入っていた彼は、同作で主演と共同製作を務めた親友ハーベイ・カイテルの紹介でタランティーノに会い、“どんな役でもやる”と申し出たという。


 逆に、ミア役のユマ・サーマンはオファーを受けた段階では『レザボア・ドッグス』に少々恐れをなしていた。面白い映画であることは認めるが、同作は男性キャラクターしか出てこないバイオレンスだ。そして何より、ミアというシャープな女性を演じる自信がなかった。そこで一度は出演を辞退するが、タランティーノは熱心に説得して彼女のキャスティングに成功する。結果的に、サーマンはミアを演じることを大いに楽しんだ。ヘロインの過剰摂取による昏睡からの覚醒時のドタバタは、彼女のアイデアから生まれたものだ。




 ワルの空気をまとったヴィンセント役には当初ふたりの候補がいた。ひとりは『レザボア・ドッグス』のマイケル・マドセン。というのも、ヴィンセントは彼が同作で演じたキャラクターと兄弟である……という裏設定をタランティーノが考えていたから。しかし、脚本を読んだマドセンは辞退し、もうひとりの適役ジョン・トラボルタに猛アプローチがかけられる。


 『サタデー・ナイト・フィーバー』『ミッドナイトクロス』の大ファンであるタランティーノは、当時キャリアが停滞していたトラボルタに、あの頃の輝きを取り戻すような役をやって欲しいと思っていた。


 ところがスタジオ側は、ヴィセンセント役に勢いのある俳優の起用を望んでいた。彼らが提案してきたのは『マイ・レフトフット』(89)でアカデミー賞を受賞したダニエル・デイ=ルイス。これにタランティーノは反対し、”トラボルタがやらないなら、この映画は撮らない”とまで言い切る。



 そんな彼の意気に応えて、トラボルタは出演が決まった後、ヴィンセントのキャラクターを掘り下げ、オールドスタイルのダンスを披露する愛すべきギャング像を体現した。そしてタランティーノの希望通り、本作でトラボルタのキャリアは劇的に浮上することとなる。



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