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『ミッション:インポッシブル』の功績は誰のもの? プロデューサーと監督からみるM:Iシリーズ※注!ネタバレ含みます。

(C) 1996, 2018 Paramount Pictures. MISSION: IMPOSSIBLE(TM) IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

『ミッション:インポッシブル』の功績は誰のもの? プロデューサーと監督からみるM:Iシリーズ※注!ネタバレ含みます。

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エスピオナージ・スリラー



 映画『ミッション:インポッシブル』のあらすじは、世界に散らばるCIA非公式工作員のリスト「NOCリスト」をめぐり、CIAと武器商人を相手に若きスパイ、イーサン・ハントが丁々発止の駆け引きを繰り広げる、というもの。


 『ミッション:インポッシブル』といえば、今ではアクション満載の爽快なシリーズとして知られているが、1作目の目立ったアクションといえばクライマックスで走行中のTGVの天井に乗ってのチェイスくらいなもの。



 その代わりに本編を覆い尽くすのは、陰鬱で生々しい裏切りと騙し合いの情景である。ヒッチコックの崇拝者としても知られるデ・パルマは、この陰鬱とした物語を、自身の代名詞である凝った映像を惜しみなく使い、ヒッチコック的なエスピオナージ(スパイの諜報戦)スリラーとして昇華させる。


 プラハ米大使館でのリスト争奪戦では、監視カメラのモニターでスプリット・スクリーンを。メガネの隠しカメラで一人称ショットを見せる。CIA本部、機密文書の保管室に侵入する吊り下げ場面は以降のシリーズでも同音異字的に毎回登場する、シリーズを象徴する場面となっている。この場面では「メガネを伝う汗」をスクリーンいっぱいに大写しにしたクローズアップや、吊り下げられたイーサンの俯瞰カットでサスペンスを盛り上げている。



(C) 1996, 2018 Paramount Pictures. MISSION: IMPOSSIBLE(TM) IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.


 中でも、終盤にフェルプスが「全てはキトリッジが仕組んだ」と説明する場面はシリーズ屈指の名場面だろう。「チームメンバーを殺したのはキトリッジだ」とうそぶくフェルプスに、イーサンは頷きながらも頭の中ではフェルプスが殺していく情景を思い浮かべる。セリフと映像が真逆を指していることで観客にフェルプスの狡獪さを印象づけるのである。


 どれも、非常に「デ・パルマらしい」ショットではあるが、観客を突き放すほどの悪目立ちも無く、抑揚の効いた見事な映像群で構成されている。



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