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『オデッセイ』新たなフロンティアをひとりで生き抜く、宇宙服を着たカウボーイの冒険物語
『オデッセイ』あらすじ
人類による有人火星探査ミッション<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、 そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹き飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。独りぼっちで火星に取り残され、地 球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な 現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のす べての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった……。
Index
リドリー・スコット会心のSF作
火星での有人探査を行うNASAのチームと、アクシデントで火星に取り残されたひとりのクルーを描いたSF映画『オデッセイ』。『エイリアン』(79)や『ブレードランナー』(82)など、SFを得意ジャンルとするリドリー・スコットの監督作品だ。劇中、火星の急激な天候悪化により、探査ミッションの中止を決定するチーム。総勢6名のクルーは大急ぎで火星を脱出したが、そのうち1名植物学者マーク・ワトニーはアクシデントにより行方不明となり、宇宙船に搭乗できなかった。しかし、誰もが死亡したと思っていたマークは、幸運にも生きていたことが判明する。
『オデッセイ』(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
次の探索チームが火星へ戻ってくるのは4年後。食糧は残り少なく、地球との通信手段は失われている。火星の基地にひとり取り残されてしまった男は、いかにして地球へ戻るのか。
『オデッセイ』は、見る者を勇気づけ、奮い立たせるポジティブな映画である。見終えるたび、このエネルギーに満ちた人間賛歌に快哉を叫びたくなる。原作の持つ想像力、巧みな脚本化、俳優陣の演技など、さまざまな要素が有機的に組み合わさった結果、映画全体に驚くべきケミストリーが生まれた。名作、傑作の多いリドリー・スコットのフィルモグラフィでも独自の輝きを放つ、会心の一作と呼べるだろう。本作はまた、きわめてアメリカ映画的な特徴を備えており、アメリカ映画がこれまで追求してきたテーマをSFのフォーマットを用いて更新する作品でもある。