ロバート・デ・ニーロの魅力があふれる犯罪ドラマ5作品
ロバート・デ・ニーロはマーティン・スコセッシ監督以外の映画でも、数多くの犯罪ドラマに出演している。独特の表情や声色だけでなく、時には人に不愉快さを与えることもいとわない表現は、現実的な恐怖が描かれる犯罪ドラマによく似合っている。また、細部にまでこだわった役作りが、演じるキャラクターに人間味を与えユーモアさえも感じさせる。ロバート・デ・ニーロの圧倒的な演技は必見だ。
『ゴッド・ファーザー PART II 』(74) 監督:フランシス・フォード・コッポラ 202分
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前作『ゴッド・ファーザー』(72)で、マーロン・ブランドが演じたヴィトー・コルレオーネの若き日を、ロバート・デ・ニーロが演じる。デ・ニーロはシチリアなまりのイタリア語を習得するため、わざわざシチリア島に住み、現地の言葉を練習したとのこと。また、マーロン・ブランドのしわがれた声までも、見事に真似るほどになっている。本作は1974年のアカデミー賞で6部門を獲得し、ロバート・デ・ニーロもアカデミー助演男優賞を獲得している。
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『ヒート』(95) 監督:マイケル・マン 172分
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アル・パチーノとの共演が話題になった1995年作品。カリスマ性あふれる強盗団のボス・ニール(ロバート・デ・ニーロ)と、それを追う刑事ヴィンセント(アル・パチーノ)の壮絶な戦いを、名匠マイケル・マンが描く。ロサンゼルスの市街地を舞台に繰り広げる12分間の銃撃シーンは、もはや伝説だ。しかし、忘れてはいけないもう一つの見どころは、コーヒーショップで2人が対面し、自分たちの信念を語るシーンだろう。デ・ニーロとパチーノの火花散る演技合戦は見ものだ。
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『ザ・ファン』(96) 監督:トニー・スコット 116分
狂気を内に秘めた人間を演じることに長け、言葉にし難い恐怖心を見る者に感じさせるロバート・デ・ニーロ。本作では、ロバート・デ・ニーロ演じる熱狂的な野球ファンのギルが、プロ野球選手ボビーのストーカーとなり、ついには一方的な憎しみを抱くようになっていく。ボビーの家で冷静を装いながら話を聞くギルの目に浮かぶ狂気は、物語の暗い終末を感じさせ、映画の重要な転換点となっている。ロバート・デ・ニーロはこの作品で、第6回MTVムービー・アワードにおいて「悪役賞」としてノミネートされた。
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『アンタッチャブル』(87) 監督:ブライアン・デ・パルマ 120分
禁酒法時代のシカゴを支配するギャングのアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)と、それを逮捕しようとするアメリカ合衆国財務省捜査官の戦いを描く。カポネの役作りは史実をヒントにした部分が大きく、姿を似せるために頭髪をそり上げ、体格はボディスーツを着用してふくよかにしている。また、アル・カポネはシルクの下着を愛用していたとデ・ニーロは考え、撮影中は必ずシルクの下着を身につけていたとのこと。
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84) 監督:セルジオ・レオーネ 229分
セルジオ・レオーネ監督の遺作にして集大成と名高い作品。ユダヤ系ギャングとして生きた主人公たちの友情と裏切りを、少年期・青年期・老人期を交差させながら描き出す壮大な叙事詩。エンニオ・モリコーネの楽曲も、変貌していく20世紀のアメリカ社会の悲哀を感じさせる。悪人たちが変革の時代でどう変化していったのか、物語の結末でロバート・デ・ニーロがみせる笑い顔は、さまざまな解釈ができる名シーンだ。