監督によって、演技論が全く違う!
Q:お客さんと自分との“ズレ”を意識しつつ、楽しみつつ……、という状態ですよね。いや、演技論が非常に面白い。
村上:僕、デビュー作が河瀨直美さんの『2つ目の窓』(14)なんです。河瀨さんは、ゴリッゴリの「内面から作るように」という演出をされるタイプ。ただ、演技を学んだことなんて1回もないし初めてだったから、ついていくのに大変で(笑)。
村上虹郎という人格を1回捨てて、ケータイも一時期取り上げられて、極論24時間・2か月以上役として生きろ、と言われましたね。
Q:河瀨さんは「役を積む」というアプローチで有名ですもんね。
村上:そうなんです。でも、その次の現場が『神さまの言うとおり』(14)で、三池崇史監督はみんなに「テストと本番だけちゃんとしてれば、チャラチャラしてていいから!」っておっしゃって(笑)。
「マジか! 真逆だ!!」と思いました。180度異なる現場を連続で体験できて、面白かったですね。
Q:そうか……。監督に合わせて、変えていくのも役者さんの仕事だからこそ、大変ですね。『ソワレ』でいうと、村上さんと芋生さんは、演技面では「意識的にコンタクトを取らないようにした」とも伺いつつ、合間に好きな小説や漫画の話で盛り上がったそうですね。
村上:クランクインしてからはコンタクトを極力取らないようにしていたんですが、それまでは外山監督と3人でご飯に行ったり、撮影現場に向かう新幹線の中で話したりしましたね。
彼女はすごく「犬夜叉」が好きです。
芋生:「犬夜叉」は超好き(笑)。
村上:あと、遠藤周作の「海と毒薬」が好き。
芋生:偏りがすごいですよね……(笑)。
村上:確かに、この2つが好きな同世代には会ったことがないかもしれない(笑)。