佐藤監督&仲野太賀の「大切な映画」は?
Q:最後に、おふたりそれぞれがお好きな映画、大切な映画を教えてください。
佐藤:『リアリズムの宿』(04)を観たときに、「こんな映画があるのか!」と思いましたね。切実な人たち……いや切実な人たちではないか(笑)。
仲野:(笑)。
佐藤:でもなんだか懸命に生きようとしている人たちが、滑稽になる瞬間というか空回りしている瞬間を肯定できるような作品で、自分も救われましたね。僕もああいう瞬間を撮りたいなと思います。
仲野:僕にとっても『リアリズムの宿』は、邦画原体験的なところがあります。この映画に出会って、自分の世界が広がったんですよね。その先で出会ったのが、『ぐるりのこと。』(08)です。まなざしの深さや温かさを、この映画から教わった気がしますね。
ヘアメイク:高橋将氣
スタイリスト:石井 大
『泣く子はいねぇが』を今すぐ予約する↓
監督:佐藤快磨
1989年生まれ、秋田県出身。初の長編監督作品『ガンバレとかうるせぇ』(14)が、ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2014で映画ファン賞と観客賞を受賞、第19回釜山国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされるなど、国内外の様々な映画祭で高く評価される。文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2015」に選ばれ、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(16)を監督。その後、『歩けない僕らは』(19)などを制作している。
仲野太賀
1993年生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビュー。主な出演作は、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』、『アズミ・ハルコは行方不明』、『淵に立つ』(16)、『南瓜とマヨネーズ』(17)、『海を駆ける』、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』、『来る』(18)、『静かな雨』、『今日から俺は!!劇場版』(20)、『生きちゃった』(20)など。公開待機作に『すばらしき世界』(21)、『あの頃。』(21)などがある。
取材・文:SYO
1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema」
『泣く子はいねぇが』
11月20日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ