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『佐々木、イン、マイマイン』内山拓也監督×細川岳 エンターテインメントから逃げないと決めていた【Director’s Interview Vol.96】

『佐々木、イン、マイマイン』内山拓也監督×細川岳 エンターテインメントから逃げないと決めていた【Director’s Interview Vol.96】

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King Gnuなどのミュージックビデオや、リーバイスの広告映像などを手掛ける新進気鋭の映画監督、内山拓也。彼がこの度手掛けた長編映画『佐々木、イン、マイマイン』は、初監督作『ヴァニタス』(16)で主演を務めた盟友、細川岳の高校時代のエピソードが原案。内山と細川の二人で脚本を手掛け、内山が監督、細川がタイトルロールの佐々木を演じている。


『佐々木、イン、マイマイン』は、気鋭の若手作家が手がけるスタイリッシュな映像作品、では決してなく、徹底的に考え抜きこだわり抜いて作り上げられた、カタルシス迸る熱い青春映画だ。本作の制作過程について伺うと、二人の青年はしっかりと落ち着いた口調で、その詳細を丁寧に語ってくれた。


Index


劇場と配給の重要性



Q:『佐々木、イン、マイマイン』は、細川さんが内山監督に話を持ちかけたところから始まったと伺いました。どのような経緯を辿って、映画までたどり着いたのでしょうか。


細川:佐々木という同級生の話を映画化したいと思っていたのですが、自分には監督できるスキルがないので、その話を小説にして書き続けていたんです。ただその頃は、役者として行き詰まっていて、役者を辞めようかとも思っていました。

 

役者を辞めてこの業界から身を引くと、多分この佐々木の話も映画化せずに終わってしまう。でもそれは絶対後悔するだろうなと思い、内山に相談してみたんです。それまで書いてきた小説の内容を内山に伝えると、すごく面白がってくれて、「それ、俺に撮らせてくれ!」と。それが全ての始まりですね。



  向かって左:内山拓也監督 右:細川岳氏


Q:お二人のお付き合いは、内山監督の『ヴァニタス』からですよね。


内山:『ヴァニタス』は2015年に撮影したのですが、その作品に出てもらってからの付き合いですね。まあ同世代なので、たまに飲んだりする間柄でした。


Q:『佐々木、イン、マイマイン』は配給会社としてパルコがついていますが、元々は自主制作からスタートしたそうですね。


内山:自分としては、岳からお願いされたから作ってあげる。といった気持ちは全然なくて、覚悟をもってこの話にぶつかっていったので、それまで培った経験やスキルを全て投入して、全力で取り組みました。自主制作だけどたくさんの人に観てもらえる作品にしたかったので、まずは撮る前に、作品の出口である劇場と配給はちゃんと決めてから始めようと思ったんです。


最初に、自分が昔働いていた新宿武蔵野館に、何とか上映してもらえないかと掛け合いました。すると大変ありがたいことに、まだ撮影前で作品ができていないにも関わらず、上映を承諾していただいたんです。また、僕の人生の恩師とも言える方が、パルコで映画配給をやっていまして、その方にも掛け合って、僕らの熱意と本気度、そして映画製作における体制も見て判断いただいた上で、パルコでの配給も撮影前の段階で決めていただきました。



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