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『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作 ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ ハリウッド大作異例の日本ロケを、どう成功させたか。【Director’s Interview Vol.153】

©2021 Paramount Pictures. Hasbro, G.I. Joe and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2021 Hasbro. All Rights Reserved.

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作 ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ ハリウッド大作異例の日本ロケを、どう成功させたか。【Director’s Interview Vol.153】

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シリーズの新たなスタートとして、人気キャラクターを主人公にした『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』。黒いマスクに隠されたスネークアイズの素顔、そして誕生秘話を描くにあたって、選ばれた舞台は日本だった。ロサンゼルスで、ある男の命を救ったことで、日本の秘密忍者組織“嵐影”に入門することになった主人公。試練を乗り越えて、彼がスネークアイズとなる物語は、ハリウッド大作としては異例となる、日本での本格的ロケによって描かれた。


関西では圓教寺(姫路市)や岸和田城、大阪市街などでも撮影を敢行。関東では、時代劇でおなじみの茨城・ワープステーションのオープンセットが使われた。そして平岳大、石田えりら日本人キャストも出演。これだけ大がかりな現場をスムーズに進行させたのは、プロデューサー、ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラの手腕によるもの。『G.I.ジョー』の前2作はもちろん、『トランスフォーマー』シリーズや『RED/レッド』シリーズなどを手がけ、ハリウッドを代表する顔でもあるボナベンチュラに、日本での撮影の苦心などを聞いた。


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日本での撮影許可を祈るしかなかった



Q:まず、この『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』で、プロデューサーとして目指したものを聞かせてください。


ボナベンチュラ:いちばんの大きな目標は、アクション、キャラクター、美術などすべてにおいて、アメリカなど西洋文化と日本文化の完璧な融合です。主人公が「嵐影」という日本の忍者の一門に入るストーリーなので、双方の文化をミックスするには最適な設定でした。


Q:日本で撮影することを前提に、脚本が書かれたのでしょうか?


ボナベンチュラ:そうです。日本で撮影できるかどうかわからない段階でストーリーが完成していたので、「どうか撮影許可が下りますように」と祈っていました(笑)。



『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』©2021 Paramount Pictures. Hasbro, G.I. Joe and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2021 Hasbro. All Rights Reserved.


Q:ロベルト・シュヴェンケ監督とは『RED/レッド』でも組んでいますね。今回もその縁があって任せたのですか?


ボナベンチュラ:いや、それだけではありません。ロベルトは尋常じゃないレベルの日本映画マニアなんです。とくに時代劇、チャンバラが大好きで、私もそこそこ日本映画は観ていますが、彼にはまったく太刀打ちできません。ですから『漆黒のスネークアイズ』には、かなり日本映画に精通した映画ファンでないとわからない小ネタも入っています。「このシーンは、あの映画から取ったのでは?」というオマージュをあちこちに散りばめられたのは、ロベルトのおかげです。日本の皆さんには、ぜひそのあたりを楽しみにしてほしいですね。


Q:スネークアイズは、一言も話さないキャラクターですが、今回の映画ではその前提が覆されます。


ボナベンチュラ:1980年代のコミックで描かれたスネークアイズの設定が、現在の『G.I.ジョー』の世界では神話のように常識になっており、今回はその神話が成立する前の時代を追求したかったのです。コミックの原作者、ラリー・ハマにその趣旨を話したところ、「すばらしいアイデア。原作者の私でも描きたかったくらいだ」と快諾してもらいました。


Q:スネークアイズファンの予想も、いい意味で裏切るわけですね。


ボナベンチュラ:これまでの作品では、単に「見た目がカッコいい」という理由でスネークアイズを好きになったファンも多いですが、今回は、キャラクターとして、つまり人間として感情移入できる物語を仕上げました。言葉も話すし、仮面を着けていないので表情も見えます。ストームシャドーとの友情や確執を含め、ドラマとして共感できるわけです。何より、スネークアイズ役のヘンリー・ゴールディングがハンサムですから、その顔を仮面で隠すのはもったいないでしょう(笑)。




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