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『夕方のおともだち』村上淳×菜葉菜 廣木監督ならではの湿度と抜け感、その狭間に配置される俳優たち【Actor’s Interview Vol.20】

『夕方のおともだち』村上淳×菜葉菜 廣木監督ならではの湿度と抜け感、その狭間に配置される俳優たち【Actor’s Interview Vol.20】

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「映画」をつくること



Q:本作のプロデューサーは、お二人の事務所の社長である、浅野博貴氏(T-artist)と佐伯真吾氏(ディケイド)です。自分たちで「映画を作ろう」とする強い意志を感じますが、「映画」作りに参加することをどのように考えていますか? 


村上:佐伯社長と僕と二人きりで事務所を始めてから、もう30年経ちます。その間、一つ一つの作品で愚直にスクリーンに向き合ってきました。「映画人」というものに憧れますし、10年、20年後にも残っている作品に参加したい。今それが出来ていることを僕は誇りに思います。


菜葉菜:うちの浅野社長は角川出身で、角川映画全盛期に活躍して独立した方なので、映画俳優を育てたいという気持ちを強く持っているんです。私も事務所に入ったときは、映画女優として認められる存在になってほしいと言われました。ただ私は、それまで保育の仕事をしていて、突然ポンと入った世界だったので、実は映画のことがそれほど分かっていなかったんです。それで、とにかくたくさん映画を観て本を読みなさいと、浅野社長から教わりました。


映画って、何十年も前の作品が今の時代にも残っていて、すごいなと思いますし素敵ですよね。今回は社長がこういう機会をくれたことや、素敵なキャストや監督、スタッフの皆さんに出会えたことに感謝していますし、私にとってもすごく特別な作品となりました。早く映画女優として認められるように、これからも頑張らねばと身の引き締まる思いです。



『夕方のおともだち』(C)2021「夕方のおともだち」製作委員会


村上:映画の話で言うと、ここ最近はスクリーンの使用目的が変わりつつありますよね。ライブビューイングなどもそうですし、スクリーンに何が映るかは時代によって変わっていく。もしかすると今後はYouTubeなんかが映るかもしれない。それはそれでいいのですが、映画を映すと言う一番古典的なスクリーンの使い方は、少なくともディケイドは続けていきたいなと思っています。


あ、もちろん僕は櫻坂46のライブビューイングには行きますよ(笑)。


菜葉菜:村上さん大好きですよね(笑)。現場でもアイドルのYouTubeをいろいろ見てましたよね。



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村上淳

1973年7月23日生まれ。大阪府出身。『ぷるぷる 天使的休日』(93)で映画デビュー。『ナビィの恋』(99)、『不貞の季節』(00)、『新・仁義なき戦い。』(00)の3作品で、第22回ヨコハマ映画祭・助演男優賞を受賞。 以降、数多くの映画・ドラマに出演。近年の主な出演作に、『新宿スワン』シリーズ(園子温監督/15、17)、『グラスホッパー』(瀧本智行監督/15)、『パンク侍、斬られて候』(石井岳龍監督/15)、『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(大森立嗣監督/19)、『ある船頭の話』(オダギリジョー監督/19)、『初恋』(三池崇史監督/19)、『鳩の撃退法』(タカハタ秀太監督/21)、『島守の塔』(五十嵐匠監督/21)などがある。廣木隆一監督との出会いは、当時ストリートカルチャー誌のモデルだった村上淳が、TBS番組「素敵な恋をしてみたい」内のミニドラマ『スケートボード』(藤井フミヤ監督)で演技デビューを飾った作品の監督補として参加していたのが監督との出会いであった。あれから30年近くもの間に、『不貞の季節』『ラマン』『PとJK』『ここは退屈迎えに来て』など10作品以上の監督作品に参加しながらも、本作でようやく廣木監督作品初主演、そして芸能生活30周年にあたる記念すべき作品となる。



菜葉菜

2005年映画『YUMENO』で主演し本格的に女優デビュー。以後、『夢の中へ』(05)園子温監督、『孤高のメス』(10)成島出監督、『ヘヴンズ ストーリー』(10)『64-ロクヨン-』(16)瀬々敬久監督、『百合子ダスヴイダーニヤ』(11)浜野佐知監督、『ラストレシピ~麒麟の下の記憶~』(17)滝田洋二監督、『後妻業の女』(16)鶴橋康夫監督など多数の話題映画に出演。2012年には『どんづまり便器』小栗はるひ監督でゆうばり国際ファンタスティック映画祭最優秀主演女優賞を、近作では主演作品『赤い雪』(19)甲斐さやか監督で第14回Los Angeles Japan Film Festival 最優秀俳優賞を獲得した。最新作は『モルエラニの霧の中』(21)坪川拓史監督、『ノイズ』(22)廣木隆一監督、『ホテルアイリス』(22)奥原浩志監督などがある。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『夕方のおともだち』

2022年2月4日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ 大阪ステーションシティシネマ 全国順次ロードショー

配給:彩プロ (C)2021「夕方のおともだち」製作委員会

公式サイト:http://yugatanootomodachi.ayapro.ne.jp

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