濡れ場はアクションシーン
Q:今回の濡れ場はカットを割らず一連で撮られていました。しかも物語性が含まれている。撮影は大変だったのではないでしょうか。
村上:僕は廣木組でも濡れ場の経験が多いほうで、カメラの鍋島淳裕さんや録音の深田晃さんの前でおちんちんを出したことが、過去に3〜4回くらいあります(笑)。今回は、菜葉菜ちゃんが濡れ場に慣れていないこともあり、僕がすべきことは彼女を守ることでした。そして濡れ場をちゃんと成立させること。
でもいざ撮影が始まると、ものすごく微妙なポジションにカメラがセットされたんです。高くもなく低くもなく、ちょっと動くと前貼りがバレてしまいそうになる。かなり難易度が高いカメラアングルでした。「ほうほう、そう来ましたか」と。しかも監督はカットを割らずに一連でいくと言う。「しかもワンカットですか。なるほど」と。
廣木監督からは、体位や体勢の流れとそれに伴う気持ちを説明されましたが、あとは二人に委ねてくれました。ただ最初は、必ず監督の好きなクンニから始まるんです。ここ、ちゃんと書いておいてくださいね(笑)。
菜葉菜:それ、現場でもずっと言ってましたよね(笑)。村上さんがリードしてくださったのでかなり助けられましたが、それでも濡れ場は難しかったです。感情に任せて動くと「菜葉菜、見えてる!」って声がかかる。「じゃあどうしたらいいの⁉︎」って本当に分からなくなるんです。受け身だけではなくて自分から動く必要もあり、結構アクロバティックな感じでした。
『夕方のおともだち』(C)2021「夕方のおともだち」製作委員会
村上:そうそう。濡れ場ってスポーツなんです。スポーツということは、要はアクションシーン。それを難しいアングルで一連で撮ろうとするなんて、さすが廣木さんだなと思いますね。でも気持ちを込めて撮れたからあのシーンはすごく好きなんです。あれがあったからこそ、その後のシーンでは二人が笑顔になれたんだと思います。