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『余命10年』今村圭佑撮影監督 やっていることは自主映画の時と変わらない【Director’s Interview Vol.190】

『余命10年』今村圭佑撮影監督 やっていることは自主映画の時と変わらない【Director’s Interview Vol.190】

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俳優とセッションする感覚



Q:藤井監督の現場ではコンテは存在するのでしょうか。


今村:藤井さんは全く描かないですね。本人は絵が上手じゃないので、描いたとしても撮りたい画が伝わらない(笑)。先ほども言いましたが、僕の中では脚本を読んだイメージで画が浮かぶので、それがコンテみたいになっていますね。


Q:現場では、藤井監督が俳優に演出している横で、今村さんがアングルを決めていく感じですか? 


今村:基本的にはお芝居を通しでやって、その中でいろんなアングルを探るというやり方が多いです。例えばカメラワークするとしても、画の使いどころは決まっているわけではなく、現場で俳優とセッションしているような感覚です。藤井さんはテイクを重ねながら、自分の理想に到達していくタイプ。テイクを重ねる過程の中では、色々とパターンを変えながら撮っています。


また、「このセリフではこのアングル」と明確に決めることはあまりないのですが、それでも何となく「このシーンにはこの画」といった感覚がある。そこは学生時代から一緒にやってきたからこそ、藤井さんと共有できる部分が多いんです。



『余命10年』©2022映画「余命10年」製作委員会


Q:藤井監督は「点描」はカメラマンに任せている。と以前お話しされていましたが、今回の作品は特に点描が多いです。


今村:藤井さんの映画の中では、点描はほぼ毎回出てきて、しかも結構重要です。今回脚本を読んだときは、だんだん視界が狭くなっていていくようなイメージがありました。その辺を映像的に表現できればと思い、どんどんフレームが細くなってくように現場でトライしています。また、点描は、ミュージックビデオ的なカットの気持ち良さも必要なので、構図や立ち位置が次のシーンにリンクしていくよう、計算して撮った部分もありますね。




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