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『リトルサーカス』逢坂芳郎監督 映画を作らせたのは少年たちの前向きな姿勢【Director’s Interview Vol.199】

© 2022 A Little Circus

『リトルサーカス』逢坂芳郎監督 映画を作らせたのは少年たちの前向きな姿勢【Director’s Interview Vol.199】

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世界中を襲ったパンデミックは様々なところで深刻な影響を与えた。カンボジアにある子供たちだけのサーカスも例外ではない。子供たちはサーカスで働くことを生活の糧としていたが、コロナ禍でサーカスは閉鎖され収入が途絶えてしまう。しかし彼らはそれでも前を向き、一生懸命に毎日を生きている。ショートフィルム『リトルサーカス』が描き出すのは、そんな子どもたちの健気な姿だ。


この映画を作ったのは、日本人の逢坂芳郎監督。逢坂監督はいかにしてこのサーカスと出会い、映画を作るまでに至ったのか? 監督に話を伺った。


※ショートフィルム『リトルサーカス』は、配給・上映・配信先を探しています。本記事を読んで興味を持たれた方は、公式サイトの上映情報よりお問い合わせください。


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出会いはNGO活動



Q:カンボジアに実際にある子供たちのサーカスが舞台ですが、彼らとの出会いを教えてください。  


逢坂:発展途上国のクリエイティブやアートにスポットを当てるNGOを、知り合いが立ち上げたのがきっかけでした。その活動を手伝っているときに、このサーカスを見つけたんです。2018年頃のことでした。それから実際にカンボジアに行って、サーカスのミュージックビデオやドキュメンタリー、ミュージカルなどを撮ったりしました。2年間で5〜6回はカンボジアに行き、滞在期間もトータルで半年くらいあったため、サーカスの子たちとはかなり仲良くなりました。


その後突然のコロナ禍によりサーカスが閉鎖され、サーカス団員の収入手段が途絶えてしまった。それで何か手助けになればと、彼らの映画を作ることにしたんです。


Q:今回の映画を作る前からサーカスの映像は撮っていたのですね。その映像を通してサーカスの存在を世に知らしめようとしていたと。


逢坂:そうですね。今回の映画ではサーカスの演技に対してそこまでフォーカスしていませんが、彼らのクオリティはものすごく高いんです。アンコールワットがあるシェリムアップでは、世界中の観光客に向けてサーカスの興行をしていますし、そのサーカスからシルク・ド・ソレイユに行った団員もいます。



『リトルサーカス』© 2022 A Little Circus


Q:このサーカスは、内戦で家族がいなくなってしまった子供たちのために出来たものだそうですね。


逢坂:戦争孤児を集めて生活させることと、教育を受けさせるという目的がサーカスにはありました。学校の先生たちの多くも内戦で亡くなっていて、そのためにも教育を受けさせる場が必要だった。サーカスというエンターテインメントで戦争の傷を癒す意味合いもあり、そういった様々な理由からこのサーカスは誕生したそうです。


Q:サーカスの映像を色々と作られてきた中で、今回は劇映画にした理由を教えてください。

 

逢坂:もともと物語を作りたい気持ちはありました。映画自体はフィクションですが、コロナ禍での子どもたちの経験をベースにして話を作っています。また、登場人物のキャラクターも実際の彼らの性格を元にしました。映画の中の子どもたちは、苦しい状況を明るく笑いに変えて逞しく前に進んで行きます。そのポジティブさは実際の彼らに備わっているものなんです。





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