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『カモン カモン』マイク・ミルズ監督を形作る“他者への愛情” 【Director’s Interview Vol.200】

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『カモン カモン』マイク・ミルズ監督を形作る“他者への愛情” 【Director’s Interview Vol.200】

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A24は長年、安心を与えてくれる存在



Q:『20センチュリー・ウーマン』から5年ぶりのA24とのタッグですが、彼らの成長をどうご覧になっていますか?


ミルズ:監督というのはすごく変な職業で、基本的にフリーランスで何の保証もないわけです。自分が将来の保証が一切ない55歳(取材当時)であるからこそ、過去の作品を一緒に手掛けてきた人たちと再び仕事ができるのは、すごく安心させてくれるんです。『人生はビギナーズ』は制作会社は違うのですが、パブリシティはA24が手掛けてくれたので、そこからのつながりでもあります。


もっというと、A24の創設者の一人であるデヴィッド・フェンケルはビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクと一緒にオシロスコープという映画会社をやっていて、かなり前から関係性がありました(※ミルズ監督はビースティ・ボーイズのアートワークを手掛けており、親交が深い)。そこからA24につながりましたし、僕の作品をずっと応援してくれている存在でしたね。



『カモン カモン』© 2021 Be Funny When You Can LLC.  All Rights Reserved.


映画業界は作品ごとに関係性が途切れてしまうことが多いため、このような絆を構築できるのはすごく珍しいことだと思います。彼らがこれだけ長い間サポートしてくれるのは、僕が仕事しやすい人間だからかもしれませんね(笑)。


映画作りというのは、多くの人々が集まり、それぞれのエネルギーが一緒になって、一種の家族のような形で作り上げていくもの。なかなか人生ではめぐり合わないような人たちとコミュニティを作ることができる素晴らしいものだと思います。特にコロナ禍になって、なかなか人と会えない状況になっても自分や作品を支えてくれる人たちがいるというのは、すごく心強かったです。僕にとってA24は、長年の間そんな存在であり続けています。




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Courtesy of A24


監督・脚本:マイク・ミルズ

1966年、カリフォルニア州バークリー生まれ。アディダス、ナイキ、ギャップなどのCMやエール、ブロンド・レッドヘッド、パルプなどのミュージック・ビデオを監督。また、ソニック・ユースやビースティー・ボーイズのレコードカヴァーのデザインも手掛け、グラフィックアーティスト、デザイナーとして1990年代のニューヨークのカルチャーシーンで活躍。2005年、『サム サッカー』で長編映画監督デビュー。自身の体験を基に父と子の関係を描いた『人生はビギナーズ』(10)では、同性愛をカミングアウトした父親役を演じたクリストファー・プラマーが第84回アカデミー賞助演男優賞を獲得。同作は数々の映画賞で高く評価され、ゴッサム・インディペンデント映画賞では作品賞を受賞した。続く『20センチュリー・ウーマン』(16)は、批評家・観客の双方から称賛され、アカデミー賞脚本賞にノミネート。自身初の快挙となった。また、07年に制作した長編ドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』では、日本の文化に抗うつ剤が導入されたことをめぐる問題を探り、現代社会が抱える問題を描き上げた。なおザ・ナショナルの8枚目のアルバム「I Am Easy To Find」の 発売にあわせてリリースされた、同名の短編映画の監督を務めている。



取材・文:SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema





『カモン カモン』

4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

配給:ハピネットファントム・スタジオ

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