パワフルな監督、マイケル・マン
Q:今回の監督マイケル・マンや『ウエスト・サイド・ストーリー』(21)のスピルバーグなど、名だたる巨匠との仕事が増えていますが、彼らの現場での演出はいかがですか?
エルゴート:マイケル・マンはとても力強い監督です。自らの考えを明確に表現します。クルーには時々ちょっと厳しいですが(笑)、でも皆そんな監督を尊敬しています。マイケル・マンやスピルバーグと仕事ができてすごくラッキーだったし、とても楽しかったです。彼らの仕事の取り組み方はしっかり準備をして撮影に臨むスタイルなので、撮影するときには居心地良い自分で居られるんです。また、役になりきっているので、何かおかしいことが起きてもすぐにそれに気づくことができる。それほどまでの準備をするからこそ、リアルで没入感を得られる経験が出来たのだと思います。
『TOKYO VICE』©️HBO Max _ Eros Hoagland
Q:こうやって日本語を話されていると、ドラマのセリフよりも今の方が上手いんじゃないかと思うくらいです(笑)。入社試験のシーンの表情の変化や目の動き、声のトーンの変化などもすごく印象に残りました。
エルゴート:試験勉強は実際に一生懸命やっていました。それが演技の助けになったと思います。テストを受けているシーンでは、ひらがなを書くのが大変だったのですが、マイケル・マンがカメラの真後ろにいて急かすんです。「もっと早く!次のページ!次!次!」と、監督が細かい指示出しをするので大変でした。彼はそういう監督なんです(笑)。でもいい経験でしたね。
Q:今回の日本での撮影で、ハリウッドでも取り入れたいと思ったことはありますか?
エルゴート:日本人もアメリカ人も一生懸命働きますが、日本のスタッフは細かいことに気を配って、ダラダラしてないので、ハリウッドのスタッフがダラダラしているところを見たら、もっと日本に居たかったなと思うかもしれません(笑)。