素晴らしい日本人キャストたち
Q：渡辺謙さんをはじめ沢山の日本人キャストが出ていますが、彼らとの仕事はいかがでしたか？
今回は渡辺謙さんとご一緒できてとても光栄でした。私が初めて観た渡辺謙さんの映画は『インセプション』（10）です。そのときの謙さんの声の素晴らしさと表情に感動しました。『硫黄島からの手紙』（06）も感動的でしたし、『明日の記憶』（05）の演技も素晴らしかった。ブロードウェイで観た「王様と私」では謙さんの歌にしびれました。一緒に仕事ができてとても幸せです。
菊地凛子さんもとても素晴らしい俳優です。感情を自由に表現して、時々自然に出る演技がハッとさせるんです。そんな自然な凛子さんの姿が深く印象に残っています。いくつかのシーンをご一緒した際に、信じられないようなすごい演技を１テイクで決めていました。彼女はオスカーにノミネートされたこともあり、流石だなと思いましたね。また、笠松将さんの演技も大好きです。将さんはクールで不思議な魅力のある俳優です。クールだけど時々激しい感情も出してくる。将さんの演技を観たら、きっとファンになると思いますよ。他にもスーパースターなキャストの方が沢山いて、彼らと仕事が出来て本当に光栄でした。
また、私は日本語を勉強していましたが、日本人のキャストの皆さんも英語のセリフがあったので、彼らは英語を勉強していました。お互いのその関係が、皆で同じ船に乗っているような気がしましたね。
『TOKYO VICE』©️HBO Max _ James Lisle
Q：今回の出演がもたらす影響に、どんなことを期待されますか？
エルゴート：まずはこの『TOKYO VICE』を続けて、いろんなシーズンを撮りたいですね。日本の勉強をすることは楽しいし、日本にいることがすごく好きなんです。日本語は私が初めて学んだ外国語でしたが、とてもいい経験でした。もっとほかの言語も学んでみたいと思っています。でもまずは日本語をマスターしたいですね。すごく時間がかかるかもしれないけれど、それは良いチャレンジだと思います。
Q：日本の他の作品にも出演したいですか？
エルゴート：もちろんです！
Q：『TOKYO VICE』の見所を教えてください。
エルゴート：エピソード1は長いプロローグのような感じで舞台設定をしているのが主となりますが、この後ジェイクが実際にヤクザを調べていって、もっと面白くなっていきます。ほかのキャラクターたちもどんどん役割が見えてきて、ジェイク以外の皆もまるで主役のようになっていきますよ。
Q：最後に好きな日本映画を教えてください。
エルゴート：黒澤明監督の『用心棒』（61）が好きです。クリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』（64）が好きで、父や兄から「あれは黒澤の映画が元になっているんだよ」と聞いて、それで観たんです。黒澤は世界の名監督の一人だと思いますね。
アンセル・エルゴート
1994年、ニューヨーク出身。2013年に公開されたキンバリー・ピアース監督のホラー映画『キャリー』で映画役者デビュー。その後、『ダイバージェント』（14/ニール・バーガー）などに出演、『きっと、星のせいじゃない。』（14/ジョシュ・ブーン）では映画初主演を務める。2017年には、エドガー・ライト監督作『ベイビー・ドライバー』にベイビー役として主演を務め、ゴールデングローブ賞主演男優賞（ミュージカル・コメディ部門）にノミネートされた。本年は、往年のブロードウェーミュージカルの名作をスティーヴン・スピルバーグ監督が再映画化し第79回ゴールデングローブ賞映画作品賞（ミュージカル・コメディ部門）にも輝いた『ウェスト・サイド・ストーリー』で主演を務めた。
取材・文： 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影：青木一成
ヘアメイク：KANAKO NISHIMURA (west furie)
ハリウッド共同制作オリジナルドラマ『TOKYO VICE』
4/24（日）WOWOWにて独占放送スタート
WOWOWオンデマンドにて第1話配信中
©HBO Max / Eros Hoagland ©HBO Max / James Lisle
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