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『ウエスト・サイド・ストーリー』名作の復活にあたり、スピルバーグは何を守り、何をアップデートしたのか

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『ウエスト・サイド・ストーリー』名作の復活にあたり、スピルバーグは何を守り、何をアップデートしたのか

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『ウエスト・サイド・ストーリー』あらすじ

1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や自由を求める多くの移民たちがいた。差別や偏見に満ちた社会の中で、若者たちは仲間と結束し、各グループは激しく対立しあっていく。ある日、“ジェッツ”と呼ばれるチームの元リーダーのトニーは、対立する“シャークス”のリーダーの妹マリアと出会い、一瞬で惹かれ合う。この禁断の恋が、多くの人々の運命を変えていくことも知らずに……。


Index


サントラの歌詞を覚え、歌い続けたスピルバーグ



「FOR DAD」


 スティーヴン・スピルバーグ監督が『ウエスト・サイド・ストーリー』で献辞を捧げたのは、父親だった。映画監督としての長いキャリアで、あらゆるジャンルを手がけてきた、このハリウッドを代表する巨匠も、これまでミュージカルとは無縁であった。だから1961年の名作『ウエスト・サイド物語』を彼が再生させるという話は、映画ファンにとっても意外だったはずだ。


 しかし、10歳か11歳で映画のオリジナル・サウンドトラックを収集するようになったスピルバーグにとって、『ウエスト・サイド物語』のサントラへの思いは特別であり、すべての歌詞を記憶し、夕食時にも家族の前で歌い続けるほどだったという。映画監督として成功した後も、この作品と関わりたいという気持ちを熟成させていったスピルバーグ。自身の監督作ではないが、製作総指揮として関わった2012~2013年のドラマシリーズ「SMASH」は、ミュージカル要素の強い作品で、その下地は意識的に作られていたのではないか。


『ウエスト・サイド・ストーリー』予告


 1957年のブロードウェイ初演、アカデミー賞でも作品賞など10部門受賞の1961年の映画から、60年もの時を超えて現代に名作を甦らせるうえで、スピルバーグはあくまでも本人の原体験を忘れなかったようだ。作品のスピリットには真摯に向き合い、細部を現代の映画として修正。演出に関しては、その長いキャリアで培ったテクニックを存分に生かした印象である。




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