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『マイスモールランド』北原栄治プロデューサー  大きな柱は若手を育てること【Director’s Interview Vol.207】

『マイスモールランド』北原栄治プロデューサー  大きな柱は若手を育てること【Director’s Interview Vol.207】

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監督希望通りのキャスティング



Q:キャスティングについてお聞かせください。多彩なキャストですが監督から出てきたものですか?


北原:キャスティングは基本的に全部監督からです。


Q:監督の意見が全てのキャスティングに通るのは、すごいことじゃないですか?


北原:うちは基本的に監督が了解しないとキャスティングのオファーはしません。プロデューサーから「この人で」と強制することはありません。もちろん「こういう人はどう?」とアイデアは出しますが、基本的には監督がやりたい人にお願いします。


Q:まずは監督が希望した皆さんにお声がけすると。


北原:そうですね。キャスティングプロデューサーを介しながらお声掛けします。スケジュールの都合などでうまくいかないこともありますが、でも大体狙った方向でキャスティングできますね。企画自体の強さはもちろん、新人監督でも分福の作品であるというのは大きな強みだと思います。



『マイスモールランド』©2022「マイスモールランド」製作委員会


Q:座組みについても教えてください。今回は日仏共同製作ですね。


北原:海外でもちゃんと評価されたいという考え方がベースにあるんです。今回は、釜山国際映画祭の「ASIAN PROJECT MARKET (APM)」で、ARTE(アルテ)というフランスの放送局から賞をいただいたこともあり「フランスと一緒に何かやりたいね」と言っていました。海外の映画祭に出す場合は、海外の資本が入ると評価に対する印象も変わるので、そういった部分も意識しています。


Q:カラーグレーディングを中心としたポスプロ作業はフランスで行われたそうですね。


北原:プロデューサーの皆さんが頑張ってくださったおかげで、フランスから助成金が降りたんです。それでフランスで作業できることになりました。フランスでのグレーディングで、作品の空気感も変わったんじゃないかなと思いますね。


Q:今回の座組みにはNHKも入っていて、TVドラマとして劇場公開前に一度NHKで放送されましたね。 


北原:今回はNHKさんに協力していただきました。番組としても作ることで、広がりを持って世の中に出ていくことは悪くないかなと。新しい取り組みでしたね。


ただ、劇場公開前にTVで放送してしまうと、観客が減るんじゃないかという心配は正直ありました。とはいえ今回のような作品は、少しでも間口を広く取らないとなかなか届かない。その意味では、NHKで放送してから劇場公開につなげることは必要でしたし、結果として良かったと思います。




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