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『灼熱の魂 デジタル・リマスター版』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 戯曲を観た後、自分が映画化すると確信した【Director’s Interview Vol.228】
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『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)『ブレードランナー 2049』(17)『メッセージ』(16)などハリウッドで最も注目される監督のひとりとなったドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作であり、2011年に公開されるや世界を驚愕させたヒューマン・ミステリー『灼熱の魂』がデジタル・リマスター版で再びスクリーンに甦る。今回は、公開当時のパンフレットにも掲載されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のオフィシャルインタビューを掲載する。製作当時のヴィルヌーヴ監督のコメント、ぜひお読みください。
Index
自分が映画化すると確信した
Q:ワジディ・ムアワッドの戯曲を知ったいきさつと最初の印象を聞かせてください。
ドゥニ:初めて『地獄の黙示録』を観た時の印象と同じで、ただ驚きました。戯曲はとても小さな劇場、Le Theatre des 4 Sousで上演され、私は二列目に座っていました。というのも千秋楽のチケットをギリギリになって手に入れたので。まるで顎に強烈なパンチを受けたような衝撃で、膝を震わせながら劇場から出てきたことを覚えています。すぐに自分がこの作品を映画化するのだと確信しました。
Q:映画は映像的にも豪華で、真に映画的です。戯曲がこれほどまでに映像的な可能性を持っていることをどのように予見したのですか。
ドゥニ:「灼熱の魂」は偉大なクラシックの作曲家による楽曲のような戯曲で、非常に明確なイメージを直接想起させます。またワジディの演出には、とても貴重な美の力強い演劇的イメージがそこかしこに含まれています。それは舞台のための演出ですから、そのまま使うことはできませんでしたが、私はいつでも起源である戯曲に戻ってそこから直接映画の言語に解釈することができました。またワジディはいくつかの鍵となる助言もしてくれました。
『灼熱の魂 デジタル・リマスター版』©2010 Incendies inc.(a micro_scope inc. company)-TS Productions sarl. All rights reserved.
Q:どうやってワジディに「灼熱の魂」を舞台から映画に変換することが可能だと説得したのですか。
ドゥニ:私が書いた50ページほどの下書き原稿を読んだあとに、ワジディは「灼熱の魂」を私に委ねることに同意しました。彼は創造の自由付きという最良の形で作品を提供してくれました。私にただ白紙委任状を渡してくれたのです。これこそが脚色を成功させる唯一の方法だと思います。原作者は相手が自分で間違いをおかすことさえも容認しなくてはなりません。
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