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『生きててごめんなさい』山口健人監督 主人公に投影した丸裸の自分【Director’s Interview Vol.278】

『生きててごめんなさい』山口健人監督 主人公に投影した丸裸の自分【Director’s Interview Vol.278】

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影響を受けたジョン・カサヴェテス



Q:ドラマや広告、そして映画の監督へと多方面に活躍されていますが、今後どんな映画・映像を作っていきたいですか?


山口:今回の作品のような、ある種プライベートなものも作っていきたいと思いつつ、ジャンルを固定化せずに色んなものに挑戦したいです。次に撮るのはヤクザものですし、コメディもやります。常にやったことのないものに挑戦したいという思いがあります。


僕は映画が好きで映画少年として育ってきたので、あの映画館という空間は格別なんです。そこのスクリーンに流れるものを作っていきたいですね。



『生きててごめんなさい』©2023 ikigome Film Partners.


Q:では最後の質問です。影響を受けた映画監督や映画作品を教えてください。


山口:僕はジョン・カサヴェテスが大好きで、特に今回の作品ではすごく影響を受けました。あの人の作品は、人が芝居しているようには見えず、まるでそこに生きているように見えるのがすごい。『ラヴ・ストリームス』(84)、『こわれゆく女』(74)『ハズバンズ』(70)のように、俳優が輝いている作品にしたいなと。


他には『タイタニック』(97)も大好きです。歴史劇、ラブストーリー、群像劇、パニックものというあらゆるジャンルを詰め込んでいますよね。テオ・アンゲロプロスとかも大好きで、ロングテイクはアンゲロプロスの影響があるかもしれません。『ヤンヤン 夏の想い出』(00)もこの前観直したら最高でしたし、チャップリンの『街の灯』(31)とかも大好きですし、フリッツ・ラングも大好きです。本当にいろいろ好きですね。


Q:ひょっとして、穂志さんにジーナ・ローランズの話とかされましたか。


山口:穂志さんには、カサヴェテス作品を観てと言ったような記憶があります。今回の穂志さんは似てますよね(笑)。莉奈は『こわれゆく女』のジーナ・ローランズですよね。家の中をめっちゃ走るところは影響を受けていると思います(笑)。




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監督・脚本:山口健人

1990年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学文学部演劇・映像コース卒業。大学在学中より映像制作を始め、2016年BABEL LABELに所属。近年ではドラマ『真相は耳の中』『アバランチ』や、MV・CM等の様々なジャンルを手掛け、監督として参加したワイモバイル『パラレルスクールDAYS』が海外の広告賞を受賞。最新作の映画『静かなるドン』の公開も春に控えている。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成





『生きててごめんなさい』

2月3日(金)シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

配給:渋谷プロダクション

©2023 ikigome Film Partners.

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