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『BLUE GIANT』立川譲監督 ジャズの熱さと激しさをアニメでいかに表現するか【Director’s Interview Vol.288】

『BLUE GIANT』立川譲監督 ジャズの熱さと激しさをアニメでいかに表現するか【Director’s Interview Vol.288】

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ジャズを知るためにサックスを練習



Q:アニメでジャズを描くにあたり、どんなアプローチをされたのでしょうか?


立川:私は小学校6年生くらいまでピアノを習っていましたが、すごく打ち込んだわけでもなく、音楽にずっと触れてきた人間でもありません。そんな自分がジャズをテーマにしたアニメを監督したので、初めて経験することばかりでした。そのひとつが、サックス教室に通ったことです。ピアノならどこを弾けば「ド」が鳴るのか分かりますが、サックスはそもそもどうやって音を出すのかさえ知らないし、吹けばすぐに音が出るわけでもない。やはりコツみたいなものがあって、それが芝居にも関わってくる。結局サックス教室へは1年くらい通いました。



『BLUE GIANT』©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館


Q:かなり吹けるようになったんでしょうか?


立川:上原ひろみさんが『BLUE GIANT』 のために作曲してくれた曲があって、そのテーマ部分だけでも吹けるようになりたかったのですが、プロのサックス奏者でもかなり難しい曲なんです。素人がいきなりチャレンジして吹けるものではないので、あと1年練習しても無理かもしれません(笑)。


大の演奏を聴いた雪祈が、すさまじい練習量を想像して涙するシーンがありますが、大が中学3年生からサックスを始めて数年であの実力になれたすごさは、自分でも身をもって体験できました。


Q:ジャズに触れた体験が作品に生かされた部分は、他にもありますか?


立川:ブルーノート東京でジャズのライブを初めて最前列で聴かせてもらいました。プレーヤーが演奏する時の吐息やドラムの振動が直に伝わってきて、コップのグラスが揺れたりする。それまでの私の中のジャズのイメージは、喫茶店で流れている緩やかな大人の音楽でした。かなり印象が変わりましたね。大のセリフにもある、ジャズの熱くて激しい音を体感することができたので、それが映画にも影響していると思います。




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