モノローグを排し映像で感情を表現
Q:特に監督の思い入れが強いシーンはありますか?
立川:自分の中で失敗したくないと思ったのはメインの3人が部屋で喧嘩するシーンです。原作にもあるエピソードですが、映画ではさらにシリアスで重いものにしています。あのシーンが3人のドラマのピークで、その後3人が改めて集結する流れにしていて、すごく印象に残っています。
『BLUE GIANT』©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館
キャラクターの心情を表現する場合、アニメではよくモノローグを使うのですが、今回は極力それをしませんでした。大のセリフに「感情を音で伝えることができるのが世界一のジャズプレーヤーだ」というものがあります。それを表現するためには、映像で感情が伝えられないとダメだと思い、モノローグを排除しました。何を思ってプレイしているのか、表情や映像で頑張って伝えているつもりなので、その辺りを感じながら観てもらえると嬉しいですね。
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監督:立川譲
1981年生まれ。数々の大ヒット作を送り出したアニメスタジオ、マッドハウス出身。マッドハウス在籍時より早くから演出・監督に従事。『デス・パレード』では原作・脚本・監督を務めた。2018年には劇場版『名探偵コナン』シリーズの監督に抜擢され、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』は、当時の歴代最高興行収入91.8億円を突破した。2020年には完全オリジナルTVアニメ「デカダンス」を監督。現在はTVアニメ「モブサイコ100」シリーズ最新作が放送中、2023年公開の劇場版『名探偵コナン黒鉄の魚影』で監督を務めることでも注目を集めている。
取材・文:稲垣哲也
TVディレクター。マンガや映画のクリエイターの妄執を描くドキュメンタリー企画の実現が個人的テーマ。過去に演出した番組には『劇画ゴッドファーザー マンガに革命を起こした男』(WOWOW)『たけし誕生 オイラの師匠と浅草』(NHK)『師弟物語~人生を変えた出会い~【田中将大×野村克也】』(NHK BSプレミアム)
『BLUE GIANT』
全国公開中
配給:東宝映像事業部
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館