「サイバーエージェントグループへの参画」「Netflixと戦略的パートナーシップを締結」「脚本家たちを集めたライターズルームの発足」「MEGUMI氏がプロデューサーとして加入」等々、次々に革新的なプロジェクトを進めるBABEL LABELに、また一人強力なメンバーが加わった。
Netflixの一員として、藤井道人監督や是枝裕和監督作ほかを手掛けてきた佐藤菜穂美。クライアントの立場から、CyberZ/BABEL LABELの一員として「世界に向けた」作品作りを目指す。
一口に「世界」といっても、イメージが朧気な方も多いはず。佐藤さんとBABEL LABELの山田久人社長との対談で、その具体的なビジョンを聞いた。
Index
- ギャガ→Netflix→CyberZ/BABEL LABELへの道のり
- Netflix坂本和隆氏にかけられた言葉
- 日本の映像業界のシステムに乗っていると世界を目指せない
- グローバルヒット作の特徴、プロデューサーの条件
- 重要なのは、ユーザー属性<強い作品
- ここ10年の業界内のスピード感の変化
ギャガ→Netflix→CyberZ/BABEL LABELへの道のり
Q:まずは、佐藤さんが映像業界を目指されたきっかけや、現在に至るまでの道のりを教えて下さい。
佐藤:家でWOWOWが観られたので、幼少期から映画に触れる機会が多くありました。『となりのサインフェルド』というコメディを観たり、映画をレンタルしたりして洋画好きになっていきました。その流れで映像業界を目指して、2011年にギャガに新卒で入社しました。面接のときは「『ズーランダー』とスパイク・ジョーンズが好きです」と話して「君は自分というものがあるね」と言われましたね(笑)。ギャガでは6年ほど劇場宣伝とプラットフォーム向けの営業と、最後に買い付けを担当しました。
その後、縁あってNetflixに入社して、当時立ち上げたばかりのアニメ部門のライセンス取得であったり自社のライセンス業務を行い、最後数年間はプロデュース業も行っていました。その中で、BABEL LABELのいくつかの作品のライセンスも含めて携わらせていただきました。BABEL LABELの皆さんとお仕事をしていくなかで、もっと連携を密にしたいと、このたびCyberZにBABEL LABEL担当として入社させていただきました。
Q:Netflixにおけるアニメ関連のお仕事というのは、どのようなものだったのでしょう。
佐藤:Netflixは一気見の文化が強かったのですが、日本に上陸して「国内では見逃し配信の文化が強い」という話になり、アニメの各クールの番組をライセンスさせてもらうお仕事を行っていました。
Q:なるほど、例えばTV放送後にNetflixで配信する的なものですね。では、佐藤さんがBABEL LABELの存在を知ったきっかけを教えて下さい。
佐藤:最初は藤井道人監督の『青の帰り道』が家の近くの映画館で滅茶苦茶人が入っていると聞いて観に行ったのが始まりです。そこで「こういう作品を撮っている人たちがいるんだ」と認識しました。その後、『ヤクザと家族 The Family』やNetflixシリーズ『新聞記者』の契約周りといった藤井監督×スターサンズ作品に連携させていただく機会が多くありました。
Q:BABEL LABELにジョインした経緯は、山田さんを通じてだったのでしょうか。
佐藤:CyberZ側がエージェントを通じて自分に連絡をくれたのが始まりでした。当時自分もNetflixでこの先1年間何をするのかな?と思っていた時期で上司とも話をしていて、そんなときにすごく丁寧なメールが入っていたんです。そこでお話を聞いたら「BABEL LABELって知っていますか」という話になり、知ってるも何も!と。「BABEL LABELは今後海外も含めて活動を広げていきたいと思っていて、Netflix等を含めて連携できる人を探しています」と言われ、やってみたいなと思いました。