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『ガール・ピクチャー』アッリ・ハーパサロ監督 映画の中のように世の中が良い方向に向かえば【Director’s Interview Vol.302】

© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved

『ガール・ピクチャー』アッリ・ハーパサロ監督 映画の中のように世の中が良い方向に向かえば【Director’s Interview Vol.302】

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「3つの金曜日」という構成



Q:エマはフィギュアスケートのトップアスリートですが、ミンミやロンコと変わらない1人の10代の女の子として表現されており、3人の性格や抱える悩みなど、ちょうど良いバランスで構成されていました。


ハーパサロ:まさにそのちょうど良いバランスに行き着くことが、脚本を完成させる上での一番の課題でした。ミンミとエマの関係、ロンコの性への追求、ミンミとロンコの友情、エマのスケートなど、様々な物語が入り組んでいたため、脚本を改訂する度にそのバランスをとることに苦労しました。そうして悩んだ結果、「3つの金曜日」という構成を思いついたんです。金曜日だけを描いていけば、その間に起きたことは観客の想像に委ねればいい。この構成を思いついたことで、全ての物事がきれいに収まりました。これは脚本家2人の素晴らしいアイデアでしたね。エマに関しても、彼女はトップアスリートですが練習している様子はほとんど描かれません。なぜなら彼女は金曜日には練習していないから(笑)。また、脚本の段階でバランスが取れていたおかげで、編集ではほとんど変える必要がありませんでした。



『ガール・ピクチャー』© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved


Q:ミンミ、ロンコ、エマはそれぞれ個性の強いキャラクターですが、演じたアーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノは気負うことなく、とても自然にキャラクターそのものになっていました。演出にあたり3人とはどんなことを話されたのでしょうか。


ハーパサロ:自分の信条や人生、友情や親との関係、青春時代に経験したことなど、彼女たちとはあらゆることを話しました。リハーサルも3ヶ月かけて念入りに行い、誰がどういう動きをするかも含めて緻密に段取りを決めて撮影に臨みました。演じている3人は、キャラクターに合わせた人を探したわけではなく、本人たちそれぞれが演じた役のような性格だったのです。結果的にその役柄にピッタリの役者を選んだことになりました。




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