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『search/#サーチ2』ニック・ジョンソン&ウィル・メリック監督 TikTokやインターネットの革新を映画に反映する【Director’s Interview Vol.303】

『search/#サーチ2』ニック・ジョンソン&ウィル・メリック監督 TikTokやインターネットの革新を映画に反映する【Director’s Interview Vol.303】

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TikTokのイノベーションを映画に



Q:ジューンはPCやスマホの扱いに慣れており、現実の若者と同じく操作がとても速いのが特徴です。その速度をリアルに表現することと、映画として必要なリズムはどのようにバランスを取っていったのでしょうか?


ニック:僕たちが『search/サーチ』と『RUN/ラン』(20)の編集をしていた時から、(製作陣の)誰もがこの形式(スクリーンライフ)を進化させたいと考えていました。その点で、原作者のセヴ・オハニアンとアニーシュ・チャガンティが若い主人公の原案を書いたことが大きなきっかけだったと思います。若い主人公なら、映画のテンポを上げることができる。ジューンはテクノロジーに慣れているので、前作の主人公ほどミスをしないし(笑)、編集面でもエドガー・ライト作品のようなスタイルを取り入れて、より若々しく楽しいリズムを追求できます。今回はTikTokなどの場でたくさん起こっている、テンポの速い編集のイノベーションを映画に反映したいと考えていました。もちろん、ジューンの感情次第で映画のリズムは変わるので、彼女が悲しい時や怖がっている時は観客にも一呼吸置いてほしい。映画としても一息入れたいので、必ずしもペースを上げることはしませんでした。映画のリズムにはいつも気を遣いましたし、同時にそれらで遊びたいとも思っていましたね。




Q:撮影現場では俳優への演出をどのように付けていたのでしょう?


ニック:ストーム・リード演じるジューンはいつもパソコンを使っている役なので、ビデオコンテが特に役立ちました。スマホに映像を入れておき、「この時にここを見てほしい、これをしてほしい」といったことを伝える資料として使ったんです。また、撮影監督のスティーブン・ホラーランがノートパソコン風の撮影器具を作ってくれて、画面にあたる部分にフォルダのようなものを付けておけたので、「通知はここに出る、FaceTimeのウインドウはここ、Chromeのバーはこのあたり」と伝えることができた。セットで立ち位置を決めるように、画面上にマーカーを表示して“目線の立ち位置”を決める感じです。感情の流れを話し合い、それを視線の動きに落とし込む、それが僕たちの付けた演出の大部分でした。


ウィル:ジューンがFaceTimeを使って会話するシーンは、相手の役者と実際にFaceTimeを繋ぎながら撮影したものがほとんど。その日に自分の撮影がないとしても、皆さんが自分の時間を使ってFaceTimeをしてくれました。だから人物のやり取りは本物なんですよ。




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