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『search/#サーチ2』ニック・ジョンソン&ウィル・メリック監督 TikTokやインターネットの革新を映画に反映する【Director’s Interview Vol.303】

『search/#サーチ2』ニック・ジョンソン&ウィル・メリック監督 TikTokやインターネットの革新を映画に反映する【Director’s Interview Vol.303】

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映画編集者として学んだこと



Q:お二人は『search/サーチ』や『RUN/ラン』をはじめ、映画の編集者としてキャリアを築いてこられました。その経験やスキルは、映画監督としてどのように役立てられたと思いますか?


ニック:『search/サーチ』や『RUN/ラン』はまるで映画学校のようなもので、あの2本を通して僕たちは編集を学びました。よく「編集は最後の改訂作業だ」と言われるように、この2作では、僕たちもストーリーやキャラクターの問題を編集の中で修正したんです。文字通り映画を書き直すような、構成をやり直すような作業から学んだことは多く、「どういうものが成立し、また成立しないか」を知れたことは本作の脚本に活きたと思います。けれど最も役立ったのは、編集作業を通して、映画に必要な「間」を理解できたこと。おかげで、映画の方向性や自分たちが撮るべき画だけでなく、作品に必要な「間」もよくわかった上で撮影に臨むことができました。必要な「間」を撮影現場で逃してしまってはいけません。あらかじめ必要なものがわかっていたぶん、監督として効率的に作業を進められたと思います。




ウィル:僕が編集を通して学んだのは――ニックが言った「間」もそうですが――感情面のストーリーをいかに伝えるかということですね。しかし僕たちは、若い頃からAdobeなどのプログラムやソフトウェアをあれこれと使いながらフィルムメーカーとして成長してきた世代。僕はよく「良くも悪くも、僕たちは“編集”の定義を拡大しているよね」と言っているんです。僕らは編集もすればアニメーションも作るし、グラフィックのデザインもする。仕事の内容や領域がどんどん説明しづらくなっていますが、しかしその結果として、このような全く新しいタイプの映画を作ることができました。これは専門性に特化する方法では作りにくい映画だと思うんです。


ニック:たしかに専門的な経験は役立ちました。僕たちは自分でVFXの作業もするし、そういう面の実験にも取り組める。技術面のバックボーンがあるからできたことです。とても楽しくてスリリングな作品になったので、ぜひ映画館で観てもらえることを願っています。




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向かって左からウィル・メリック、ストーム・リード、ニック・ジョンソン


監督・脚本:ニック・ジョンソン

アメリカ/ミズーリ州セントルイス出身。南カリフォルニア大学の映画芸術学部を卒業後、アニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』(2018)の編集をウィル・メリックとともに手がけ、批評家たちからその革新的な編集と映像スタイルが絶賛された。続いてアニーシュ・チャガンティが監督した『RUN/ラン』(2020)でもウィルとともに編集を担当する。本作『search/#サーチ2』で、ウィル・メリックと共に脚本家および監督としてデビューを飾った。その他、ラッパーのベリーのミュージックビデオ“Belly Feat. Travis Scott: Money Go”(2016)なども手がけている。



監督・脚本:ウィル・メリック

アメリカ/ノースカロライナ州出身。LAを拠点に活動するフィルムメーカー。2015年に南カリフォルニア大学を卒業。その斬新なアイデアで話題となったアニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』(2018)の編集をニック・ジョンソンとともに手がけた。続いてアニーシュ・チャガンティが監督した『RUN/ラン』(2020)でもニックとともに編集を担当する。アニーシュが注目されるきっかけとなった、Google Glassだけで撮影した2分半の短編映画"Seeds"の編集もウィルだった。



取材・文:稲垣貴俊

ライター/編集者。主に海外作品を中心に、映画評論・コラム・インタビューなどを幅広く執筆するほか、ウェブメディアの編集者としても活動。映画パンフレット・雑誌・書籍・ウェブ媒体などに寄稿多数。国内舞台作品のリサーチやコンサルティングも務める。




『search/#サーチ2』

4月14日(金)全国の映画館で公開

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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