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『リバー、流れないでよ』原案・脚本:上田誠 パズルを組み上げるようにつくる脚本術【Director’s Interview Vol.324】

『リバー、流れないでよ』原案・脚本:上田誠 パズルを組み上げるようにつくる脚本術【Director’s Interview Vol.324】

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「タイムトラベルもの」という発明



Q:上田さんが手がける物語はいつも緻密で複雑です。パズルを作ることが得意だとおっしゃりましたが、脚本はどのように作られるのでしょうか。 


上田:まさにパズルを組みあげるように作っていますね。出来るだけ各パーツの精度を上げていきます。キレイにハマるだけがいいパズルではなく、急に大きなパーツがあったりするところに面白さがある。そうやって、狙ったコンセプトに忠実に作っていく感じです。


Q:脚本はいつも一人で書かれるのですか。


上田:作品によっては後輩の作家たちとグループライティングしながら作るときもありますが、基本は一人ですね。


Q:脚本内の情報処理も膨大かと思います。そこの作業は人数がいた方が良かったりするものですか。


上田:データ収集やネタ出しなどは手伝ってもらうことがありますが、それ以上の情報処理は基本的には一人の脳内で行うことなんです。ただ、他の人と一緒に作業していると、自分では思いつかなかった(時間の)繋げ方などを発見することもありますね。



『リバー、流れないでよ』原案・脚本:上田誠さん


Q:最近の映画ではパラレルワールドやマルチバースが流行っていますが、そういう作品を観るときは、作り方や構造に目がいくものですか。


上田:作り手なので、人よりは見えることはあるかもしれません。常に作品の構造を考えて脚本家の視点で見てしまうから、作品が全然頭に入ってこないときもあります(笑)。


Q:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)や、最近のマーベルやDC映画、そして『カメラを止めるな!』(17)まで、時間軸の操作は映画的に相当面白い要素なのだと、作り手が確信している気がします。


上田:僕もそれは思います。物語の手法や構造はこれまで色々と発明されてきましたが、例えば「ミステリー」などもそのひとつ。同じように「タイムトラベルもの」も、物語を作る上での大きな発明だと思いますね。





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