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『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ジェームズ・マンゴールド監督 スピルバーグが言った重要な言葉とは【Director’s Interview Vol.325】

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『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ジェームズ・マンゴールド監督 スピルバーグが言った重要な言葉とは【Director’s Interview Vol.325】

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まずはストーリーのことを考えろ



Q:本作ではヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)がインディの相棒となって大活躍しますが、彼女のキャラクターのモデルは『レディ・イヴ』(41)のバーバラ・スタンウィックだそうですね。スクリューボールコメディの要素を入れたかったのですか?


マンゴールド:スクリューボールコメディの要素を入れたかったというより、その要素をキープしたかったという言い方が正しいだろうね。そもそもこのシリーズにはそういう笑いがあったし、それがひとつの特徴になっていた。もっというとシリーズにはなくてはならない要素のひとつだとも思っている。抱腹絶倒とはならないまでも、チャーミングな笑いが会話にもアクションにも必ずある。それを維持したかった。アクションではもうひとつ、バスター・キートン的なスタイルを重視している。


Q:あなたの作品は、どこか古いハリウッド映画のような印象を受けますが、やはりそういう時代の映画が好きなのでしょうか?


マンゴールド:それは間違いなくイエスだよ。私は伝統的なスタイルが大好きなんだ。古い映画から学ぶのが大好きだし、実際、学ぶことも多い。反対に、今どきのフィルムメイキングにはあまり深い思い入れをもっていない。古風な映画から学んだことをつなぎ合わせて自分の作品を作るのが、私のやり方だ。



『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.


Q:あなたにはアレクサンダー・マッケンドリック(イーリングコメディの『マダムと泥棒』(55)等)とミロス・フォアマン(『カッコーの巣の上で』(75)『アマデウス』(84)等)というふたりの名監督の師匠がいますよね。いつもそのふたりの名前をエンドクレジットのSpecial Thanksに記しています。彼らからどういうことを学んだのでしょう?


マンゴールド:サンディ(マッケンドリックの愛称)は常に私たちにストーリーテリングを意識させてくれた。私たちがクールなショットやスタイリッシュなデザイン、クレバーなギミック等ばかりを考えていると、とても厳しく批判された。まずはストーリーのことを考えろと。観客を最後まで飽きさせないのも、観客の注意を保つのも、まずはストーリーからだということを教えてくれたんだ。これは今でも肝に銘じている。


Q:フォアマンはコロンビア大学での教授でしたよね?


マンゴールド:そうだね。彼も素晴らしい先生であり、素敵な人物だった。彼から教わったのは脚本の執筆について。ミロスは偉大なストーリーライターでもあったから、私の初監督作品『君に逢いたくて』(95)の脚本を執筆しているときは、自分で書いたページをすべてミロスのコネチカットの自宅に送りつけて添削して貰っていたんだ(笑)。「P13はいい。P24は好きだ。P33は好きじゃない」というような感覚的な返事をくれて、内容については触れることはなかった。私が当初、学びたかったことはプロットの立て方、アウトラインの書き方。それをもとに脚本を完成させるという発想だった。でも、いざそうやって書き始めると上手くいかないばかりか、自分で納得の行かないものが出来てしまっていた。そんな私にミロスが教えてくれたのは「プロットを書くな、キャラクターを書け。そして彼/彼女にストーリーを決めさせるんだ」。これは私の座右の銘として、脚本を書くときは常に念頭に置いている。もちろん、この作品でもだ。




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