大きく変化できる、テレビドラマの可能性
Q:テンポが良く、次はどうなるんだ?と期待感を煽る構成になっています。映画と連続ドラマの大きな違いに“尺”がありますが、編集等で何か意識されているところはありますか。
三池:編集というよりむしろ脚本家の仕事ですよね。情報過多で(脚本に)ものすごく詰め込んできます。我々の映画の感覚でいうと「これは1時間半かかるよね」みたいなところも、撮ってみると確かにオンエア45分のテンポで無理することなく撮れていく。テンポよく見えているのは脚本家の力なんじゃないですかね。そういう風にどんどん作っていくプロデューサーの仕事も重要だと思います。「これをどうやって押し込めるんだよ」というのは、こっちの仕事ではあるんですけど(笑)。
1時間ドラマって結構長いんだなという感触はありました。だからまだ、どんどん変われる余地はあるんじゃないでしょうか。ドラマというものに可能性があるなと。子供の頃観ていたドラマと今のドラマってさして変わらないような感じがして、もちろん色んなところで変わってはいるんでしょうけど、もっともっと大きく変われる可能性があるんじゃないかと思いました。映画よりは可能性はあるんじゃないかな。
幸いなことかどうかわからないけど、いろいろメディアが多くなって多様化していて、視聴率そのものに価値がなくなってきている。違う形でビジネスが成立していればいいと、作る側がそこ(視聴率)をあまり感じなくなっている、もうすごいですよね。そういう自由度の可能性があるということをやってみて感じましたね。
監督:三池崇史
1960年生まれ。大阪府八尾市出身。描く映像世界は海外からも高い評価を受けており、ヴェネチア国際映画祭で『十三人の刺客』(10)が、カンヌ国際映画祭で『一命』(11)と『藁の楯 わらのたて』(13)がそれぞれコンペティション部門に選出。ジャンルを問わず精力的に映像制作を続け、作品本数は100を超える。代表作には、「オーディション」(00)、「DEAD OR ALIVE」シリーズ(99/00/02)、「殺し屋1」(01)、 「牛頭」(03)、「着信アリ」(04)、「クローズZERO」シリーズ(07/09)、「ヤッターマン」(09)、 「悪の教典」(12)、「土竜の唄」シリーズ(14/16/21)、「無限の住人」 (17)、「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」(17)、「初恋」(20)、ドラマ「警部補ダイマジン」(23)、「怪物の木こり」(23)などがある。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
金曜ナイトドラマ「警部補ダイマジン」
【毎週金曜】よる11:15~放送中 テレビ朝日系 ※一部地域除く
制作著作:テレビ朝日
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