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『国葬の日』大島新監督 日本人の「無関心」をホラー映画のように描き出す異色ドキュメンタリー【Director’s Interview Vol.352】

『国葬の日』大島新監督 日本人の「無関心」をホラー映画のように描き出す異色ドキュメンタリー【Director’s Interview Vol.352】

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公開を国葬から1年後にした理由



Q:10チーム同時に撮影というのは大島作品では初めてだと思います。それらの素材を編集していく過程はいかがでしたか。


大島:今回は本当にラッシュが楽しくて、編集であまり迷いませんでした。そもそも国葬当日だけの撮影なので一か所の素材は平均3時間くらい、10か所トータルでも30時間ほどで、素材自体が多くないんです。映っているものがかなり面白かったし、その面白さも脱力するようなものがたくさんあるんですけど(笑)、作品として面白くできそうだなと思いながら編集できました。


Q:編集期間はどれくらいですか?


大島:あっという間でしたよ。ラッシュは別として、編集の宮島さんは1週間ぐらいで第1稿を作ったと思います。そこから3~4回編集し直して仕上がった感じです。最後にいろんな指摘を受けて、細かい直しはしていますが、大きな流れが決まったのはわりと早かったです。


Q:では全体の制作期間も相当短いですね。撮影準備に3日、撮影が1日で編集が1カ月くらいでしょうか。


大島:全体で約1か月くらいですね…。こう言うと手抜きみたいですね(笑)。



『国葬の日』(C)「国葬の日」製作委員会


Q:そこまでスピーディーな制作でありながら、公開を国葬からちょうど1年後に設定したのはなぜですか?


大島:当初はなるべく早く上映することも考えましたが、逆にみんなの記憶が曖昧になってくる時期の方がいいだろうと思いました。かといって2〜3年はさすがに長い。国葬から1年後がちょうどいいだろうと思い、配給の東風さんと相談したら「やりましょう」となったので、そこはうまくハマった感じです。


Q:確かに映画を観るまで、国葬が9月だったことも忘れていました。たった1年前なのに記憶のあやふやさに驚きます。「1年後にあなたは覚えていますか」と問うような狙いもあったと。


大島:それも意識しました。社会情勢をちゃんと追いかけている人でも、試写を観て「静岡の清水で水害があったことを全然覚えていなかった」と言っていました。そういう意味でも清水は撮っておいて良かったと思います。





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