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『ほかげ』塚本晋也監督 現代を覆う“そこの抜けた理不尽な恐ろしさ”【Director’s Interview Vol.374】

『ほかげ』塚本晋也監督 現代を覆う“そこの抜けた理不尽な恐ろしさ”【Director’s Interview Vol.374】

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海獣シアターで作る理由



Q:製作についてもお聞かせください。当初はクラウドファンディングも視野に入れていたそうですが、実施しなかったのは何故でしょうか。


塚本:お金が足りないことで現場に迷惑をかけるのもなぁと思い、クラウドファンディングというものがある以上、お願いしてみようかなと。書類を取り寄せて申請直前までいったのですが、ただ「お金が無いから頼む」というのは、クラウドファンディングの使い方として果たして良いのかなと…。


もっとクラウドファンディングならではのお願いの仕方があるんじゃないかと思ったんです。お金を出してくれる人と一緒に共犯的にその企画を企むような、皆さんを一緒に巻き込みながら進む企画のときに、クラウドファンディングを活用した方が良いのではないかと。今回はただひたすらお金が無いという理由なので、ちょっと差し控えておこうかなと。



『ほかげ』© 2023 SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER


Q:普段はご自身の会社「海獣シアター」での製作が多く、他の映画会社と一緒にやることは少ない印象もありますが、何か理由はありますか。


塚本:自分でやる場合は、企画を立ててすぐスタートできるのが大きいですね。お金を出していただく時は、プレゼンテーションをして、そこから脚本になっていくまでに時間がかかる。自分で出来る範囲のものは、なるべく自分でやった方が良いと思っています。企画が成立するための打合せなどは割愛できますし、僕の企画は説明しづらかったりするので、最後に断られるのがオチだったりもする(笑)。


ただ完全にシャットアウトしているわけではなく、先方からいただいた企画もあります。沢田研二さん主演の『ヒルコ/妖怪ハンター』(91)や、本木雅弘さん主演の『双生児-GEMINI-』(99)などはそうですね。自分がやれそうだと思えばお受けしますが、主には自分たちのプロダクションでやることの方が多いですね。





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