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『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』リドリー・スコット監督 撮影の数ヶ月前にすでに映画は完成されている【Director’s Interview Vol.451】

©2024 PARAMOUNT PICTURES.

『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』リドリー・スコット監督 撮影の数ヶ月前にすでに映画は完成されている【Director’s Interview Vol.451】

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歴史モノに惹かれるのは人間が何も学ばないから



Q:映画の冒頭でいつものスコットフリーのアニメのロゴが出た後、今回は同じタッチのアニメーション映像が続き、驚きました。


スコット:オープニングのタイトルシークエンスが長いと飽きてしまうので、エンターテインメントに仕立てたかった。そこで20年前にスコットフリーのロゴを手がけたイタリア人アーティストのジャンルイジ(・トッカフォンド)に「まだ生きてるかい?」と電話をかけ、仕事を依頼したんだ。1作目から私が選んだシーンを、あのようにアニメーションでまとめてもらった。前作がどのように終わったかを思い出してもらえるし、何より美しい表現だろう? このタイトルシークエンスが終わると、マキシマスの息子が一掴みの稲を手に取るシーンに転換するのだが、ここでマキシマスが稲穂に手をかざした前作のエンディングと繋がるわけだ。


Q:『ナポレオン』や『最後の決闘裁判』(21)など、このところ史劇が続いています。


スコット:私は歴史の愛好家だ。これから撮る新作もカタールとドバイを舞台にした金融詐欺の物語で、史劇ではないが実話。衣装や武器など歴史劇、実話に付随するあれこれを再現することに惹かれる。人間は同じ過ちを繰り返すという教訓をテーマにもできるしね。これまで手がけた歴史モノで最も良い経験になったのは『キングダム・オブ・ヘブン』(05)かな。最終的に20分カットしたという“失敗”がその後の反省材料になった。エルサレム王家のハンセン病、安楽死などの辛い顛末をもっと描きたかったのだよ。『 ナポレオン』ではリサーチを重ね、(妻の)ジョセフィーヌが描いた直筆の手紙にたどりついた。彼女がしたためた言葉を映画の終盤で使い、我ながらなかなかうまくいったと思っているよ。(インタビューの画面で犬を見せ)ちなみに私の今の愛犬はジョセフィーヌと名付けた(笑)」



『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』©2024 PARAMOUNT PICTURES.


Q:史劇がもたらす教訓という意味で『グラディエーターⅡ』は現代の観客に何をアピールすると思いますか?


スコット:残念ながら人間は歴史から学ばない。私は第二次世界大戦が勃発する直前に生まれ、1947年と1952年は父の仕事の関係でドイツに住んでいた。陸軍の高官だった父はドイツの復興事業、いわゆるマーシャル・プランに関わっていたんだ。そんな父の姿から私は戦争について少しは知ることになったが、いま世界を見渡すと人間は戦争からまったく学んでいないことがわかる。宗教や、あえて名前は出さないが独裁者たちが、つねに戦争の火付け役になっているだろう? 『グラディエーターⅡ』は、そんな事実を訴えるとも言えるし、現代社会に何を訴えてもムダだという虚しさを映し出していると言えなくもないね。



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取材・文:斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。




『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

 11月15日(金)劇場公開

配給:東和ピクチャーズ

©2024 PARAMOUNT PICTURES.

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