※向かって左より、董哲氏、橋本トミサブロウ氏。
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』制作統括:橋本トミサブロウ × アニメーションプロデューサー:董哲 フルCGを作画でなぞるという挑戦 【CINEMORE ACADEMY Vol.34】
スクリーンに釘付けになったピーター・ジャクソン
Q:制作段階においてワーナーやピーター・ジャクソン監督、WETAなどのチェックは都度入ったのでしょうか。
董:設定に関してはWETAと一緒に毎週定例会を行なっていました。正しいものを作ってファンの方たちに楽しんでほしいという熱意が、WETAからは伝わってきました。
橋本:ピーター・ジャクソンさんからは、一つ一つのデザインではなく、『ロード・オブ・ザ・リング』の全体の世界観や演出に対してアドバイスをいただきました。
董:神山監督はピーター・ジャクソンさんとの対面でのやり取りが多く、監督同士お互いたくさん話していて意思疎通が出来ていました。ピーターさんもだんだん神山監督のことを分かっているようで、かなり褒めてもらっていましたね。
橋本:やっぱり監督は監督同士じゃないとわかり合えないのだなと、つくづく思いました(笑)。
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
Q:完成した作品に対するピーター・ジャクソン監督の反応はいかがでしたか。
橋本:ピーターさんは映画を見ながらお菓子をよく食べるそうで、食べながら寝ちゃうこともあるらしいのですが(笑)、今回に関してはお菓子を食べる手が止まり、スクリーンに釘付けになって観ていたそうです。そういうお話を聞いていると、かなり気に入ってくれているのかなと思いますね。
董:ピーターさんは神山さんのためにプロップの剣を作って贈呈してくれました。相当気に入ってくれていたのでしょうね。
Q:サルマンのキャラクターは実写映画で演じられたクリストファー・リーさんとほぼ同じでした。どういう経緯で作られたのでしょうか。
橋本:ご本人はすでに亡くなられているので、ワーナーさんに動いていただき御遺族の方の了承を得た上で、同じ顔で描かせていただきました。ファンの方も喜んでいただけるでしょうし、サルマンの顔が違ったらやっぱりみんな怒りますよね。