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『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』制作統括:橋本トミサブロウ × アニメーションプロデューサー:董哲 フルCGを作画でなぞるという挑戦 【CINEMORE ACADEMY Vol.34】

※向かって左より、董哲氏、橋本トミサブロウ氏。

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』制作統括:橋本トミサブロウ × アニメーションプロデューサー:董哲 フルCGを作画でなぞるという挑戦 【CINEMORE ACADEMY Vol.34】

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集まったスタッフは旅の仲間



Q:『ロード・オブ・ザ・リング』のアニメというと、ロトスコープで作られたラルフ・バクシの『指輪物語』(78)を思い出しますが、CGをベースにしてなぞっていく今回の作業は、ある意味新しいロトスコープのようですね。


橋本:そのアニメは私も小さい頃に見ましたが、今回は偶然そうなりました。あの作品を特に意識したわけではなく、あくまでもピーター・ジャクソンさんが撮られた三部作のイメージが先にありました。今回は単純にアニメ化するのではなく、実写映画に近づけた方が観ている人も三部作からスムーズにスライドできるのではないか。神山監督の意向もあって、CGの舞台にモーションキャプチャした人物を置いた上で、実写っぽいレイアウトやカメラワークを探っていきました。


それでも徐々に絵が出来てくると、奇しくも昔の『指輪物語』をオマージュしたかのような形になっていることに気づきました。作っていく上で、ある種偶然そうなった感じですね。



『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI


Q:そういったチャレンジングなフローも含めて、SOLAスタジオだからこそ出来たことがあれば教えてください。


橋本:SOLA DIGITAL ARTSは、CGのムービーを作る専門の会社です。以前、神山監督には、荒牧伸志監督と一緒に「攻殻機動隊 SAC_2045」(20〜22 TV)や「ULTRAMAN」(19〜23 TV)をこの会社で制作していただきました。それらの作品ではモーションキャプチャも使っていましたので、良い部分も悪い部分も含めてノウハウが蓄積されました。その流れもあって今回のCGを作っていますので、そこのノウハウはSOLAならではだと思います。


Q:今回のプロジェクトへの参加で、SOLAスタジオとしてはどのような資産が増えたと思われますか。


橋本:これまでCGを使った映像を作ってきましたが、作画で挑んだのは初めてです。本当にスタッフ0人のところから董くんたちに来てもらったので、旅の仲間が少しずつ増えてサウロンと戦ったような感じがしますね。神山さんを筆頭に「ロード・オブ・ザ・リング」のアニメを作りに真剣に向き合っていたら、気がつくと何十人、何百人と旅の仲間が増えていった。まだ旅の途中のような気もしますし、何か得たと分かるのはこの後かなと。





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