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『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』モーガン・ネヴィル監督 ドキュメンタリーをレゴ®に置き換える【Director’s Interview Vol.484】
「ハッピー」「ゲット・ラッキー」を始め、多くのヒット曲を世に送り出す一方で、自身のファッションブランド「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」でストリートの流行を生み出し、ルイ・ヴィトンのクリエイティブ・ディレクターとしてランウェイショーも手掛けるなど、音楽界のみならずポップカルチャー界で最も革新的な存在であるファレル・ウィリアムス。そんな彼の人生の旅路が、全編レゴ®アニメーションで初映画化!
監督を務めるのは、『バックコーラスの歌姫たち』(13)でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督。自伝映画をレゴ アニメーションで表現するというプロジェクトに、ドキュメンタリー出身のネヴィル監督はどう挑んだのか。本記事ではネヴィル監督のオフィシャルインタビューを掲載、ぜひお楽しみください。
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ドキュメンタリーをレゴに置き換える
Q:この映画の制作にかかわることになったいきさつを教えてください。ファレルはあなたに監督してほしかったそうですが。
ネヴィル:電話がかかって来たんだ。ファレルが僕に会いたいって、ただし何故かは秘密だとね。それでスタジオで彼と会った。「自伝というほどではないが、君に僕の人生を語ってほしい、ドキュメンタリーの形で」と言われた。そしてさらに「その完成作をレゴに置き換えてほしい」と。レゴという言葉を聞いて興奮した。全く想像もしない発想だったから。クリエイターとして最大級の刺激だよ。それでキマリ!だよね。最初のミーティングは15分くらいだったかな。やろうぜ!ってことになった。5年半前のことだ。
Q:レゴ アニメーションを使うことについて、ファレルからはどのような説明があったのでしょうか。
ネヴィル:ファレルはレゴを使うことについて、子供にも理解できるような映画にしたいからと説明してくれた。それが第一の理由だったが、他にも多くの理由があった。例えば自分がスクリーンに登場したくないとか、音楽作りはレゴを組み立てることに似ているとかね。でもこういった話は制作をする過程で知ったんだ。
『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』© 2024 FOCUS FEATURES LLC
Q:ファレル本人がレゴ アニメーションで登場することは、どのようなメリットがありましたか。
ネヴィル:ファレルはカメラを向けられる事を居心地よく感じていないようだったからね。レゴにすることで程よい距離感が生まれたと思うよ。僕にとっては、それが逆にファレルの内部に入る手段となった。アニメーションという手法が普通のドキュメンタリーにはない洞察力を発揮したともいえる。彼は心で感じているままを話してくれたから。それを僕はレゴで表現した。普通のドキュメンタリーの方法では可能でなかった部分まで表現できたと思うよ。