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『Flicker』Peter Clay監督 × 『まわりまわる』乙木勇人監督 趣味とプロ、正反対の映画監督 at SSFF & ASIA 2026【Director’s Interview Vol.568】

※向かって左から乙木勇人監督、Peter Clay監督

『Flicker』Peter Clay監督 × 『まわりまわる』乙木勇人監督 趣味とプロ、正反対の映画監督 at SSFF & ASIA 2026【Director’s Interview Vol.568】

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いつかはフィンチャーに観てほしい!



Q:Peterさんは、演技面での演出はどのようにされましたか。


Peter:僕はショートフィルムしか撮っていないこともあり、演技指導やディレクションの経験が少ないんです。現場では頭がいっぱいになってしまう時があるので、撮影が始まる前にキャラクターの深い部分を伝えるように心がけています。「学生時代は何をしていたのか」や「子供の頃はこういう性格だけど、映画に映るこのタイミングではこういう性格になっている」など、映画には映らないキャラクターの背景を事前に伝えておく。その過程を経た上で、現場の演技として出てきたものを調整していきたい。普通のことなのかもしれませんが、キャラクター性をお渡しして、出演者の皆さんと一緒に作り上げていく感覚で演出をしています。



Flicker


Q:事前に本読みはされたのでしょうか。


Peter:本読みというか、作品のことや僕の熱量をたくさん伝えました(笑)。本当に時間がなかったので、現場で作り上げていくことのほうが多かったですね。


Q:乙木さんの場合は、定点ワンカットでの演技を考えると本読みが重要になるのでしょうか。


乙木:僕の作品は必ずアクティングコーチをつけるようにしているので、お芝居に関しては完全にお任せしています。Peter監督と同じように、キャラクターのバックボーンや自分の熱量を伝えて「こうしていきたいんだ」と舵を取るようなことはやっていますね。映画監督という立場で現場に関わっているので、別に演技が教えられるわけではない。そこは無理に教えようとせずに、専門の方を呼んでお願いしています。


Peter:海外の作品だとアクティングコーチを入れているイメージがありますが、国内のとりわけインディーズのショートフィルムで入れている作品は珍しいですよね。でも、定点ワンカットでは確かに必要なのかもしれない。


Q:作品からは正反対の雰囲気を感じる2人ですが、それぞれ好きな映画を教えて下さい。


乙木:洋画で一番好きな作品は、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(10)です。『まわりまわる』のSF感も、ノーラン監督の影響を受けているような気がしています。邦画では、矢口史靖監督の『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』(14)で、観終わった後の誰もが幸せになれるあの雰囲気が本当に大好きなんです。ドラマでは、坂元裕二さんが脚本を担当した「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)が好きですね。


ショートフィルムでは、『フューチャー!フューチャー!』(23)という作品があって、初めて観た時は動けなくなりました。「25分でこんなことができるんだ…」と。


Peter:『フューチャー!フューチャー!』は「SSFF & ASIA 2024」でベストアクターアワードを受賞されたショートフィルムですよね。あれもSF作品だったのですが、納得の受賞でした。


Q:Peterさんの好きな映画はなんですか。


Peter:どうしようかな…、『チャッキー(チャイルド・プレイ)』は僕のソウルなので置いときます(笑)。監督ではデヴィッド・フィンチャーが好きなんです。ルックやカメラワークの面でも尊敬していますね。フィンチャーの一貫しているところは映画を観た後に「10%ぐらい分からない部分」が残って、観客に埋めてもらう必要があること。それこそが映画の良さだと思うので、デヴィッド・フィンチャーの作品が好きです。


あえて作品を選ぶなら、『ファイト・クラブ』(99)か『ゴーン・ガール』(14)。僕が2000年の早生まれで『ファイト・クラブ』が1999年の公開なので、“タメ”なんです。そういう意味でも親近感がある。毎年12月31日に観て、自分を奮い立たせています。


Q:『Flicker』のトンネルのシーンを観て、フィンチャーがお好きなのだろうと思いました。


Peter:観ていただいた方からも「フィンチャーを感じた」と言われることが多いので、本当に嬉しいです。フィンチャーに観ていただくことが目標なので、それまで頑張りたいと思います。


乙木:「Peter Clay、フィンチャーに会いに行く」というドキュメンタリーを自分で撮るのもいいんじゃないですか。


Peter:じゃあ、今日からカメラを回し始めます(笑)。


Q:乙木さんの『ありがとう、ね』という作品もオンラインで観ることができるのでしょうか。


乙木:『ありがとう、ね』はSNSで公開しています。3分の作品なので是非観てください。


Peter:『ありがとう、ね』もマジで名作です。



『Flicker』と『まわりまわる』は6月30日火曜日までオンライン視聴が可能です。詳しくは「SSFF & ASIA 2026」の公式サイトをご確認ください。






監督:Peter Clay

2000年生まれ東京都出身。2022年から会社員をしながら独学で映画制作を開始。監督作『Private』が「SSFF & ASIA 2024」に入選。上映企画・トークショー・BARなど様々な活動もしている。





監督:乙木勇人

独立系映画作家として活動する他、プロデューサーとしても作品を手がけるなどマルチに活動する。定点ワンカット作品を多く手がけ、監督作品には短編映画『ラストオーダー』(24)『まわりまわる』(25)『ゆいとゆいと』(25)などがある。



取材・文:CINEMORE編集部


SSFF & ASIA 2026 公式サイト:https://www.shortshorts.org/2026/

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