1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『ナイトボーン -夜哭-』ハンナ・ベルイホルム監督 恐怖という感情を扱うこと、内面を外形的に表現する【Director’s Interview Vol.585】
『ナイトボーン -夜哭-』ハンナ・ベルイホルム監督 恐怖という感情を扱うこと、内面を外形的に表現する【Director’s Interview Vol.585】

Ⓒ 2025 Elokuvayh/ö Komee4a Oy, Filmai LT, Bluelight, Getaway

『ナイトボーン -夜哭-』ハンナ・ベルイホルム監督 恐怖という感情を扱うこと、内面を外形的に表現する【Director’s Interview Vol.585】

PAGES


セイディ・ハーラの真実味、ルパート・グリントの説得力



Q:サーガを演じたセイディ・ハーラの憔悴した表情と、一転して獰猛なケモノのような表情や唸り声を上げる演技には惹きつけられました。あのような迫力あるシーンは、どのようなやり取りによって作り上げられたのでしょうか。


ベルイホルム:セイディは本当に素晴らしい役者だと思います。何よりもまず、キャラクターについて徹底的に話し合うことから始めました。彼女は自分が演じる役柄を深く理解しようと努めるタイプで、サーガというキャラクターの本質をしっかりと掴んでいました。


様々なシーンについてじっくりと対話を重ね、彼女の理解を深めていく。そうしたやり取りが、彼女だけでなく私にとっても重要だったと思います。


また、フィンランドでルパート・グリントとセイディ・ハーラを交え、約10日間にわたるリハーサルを行ったことも大きなポイントでした。フィンランドの振付師テロ・サーリネンに入ってもらい、格闘やダンスのような身体的な動きを一緒に作り上げるところから始めました。そこでの身体的な動きが役作りに大きく影響を与えたと、セイディも後で語っていました。


それから当然のことですが、彼女がどんなに激しい感情を表現しても安心を感じられるような、安全な環境を作ることにも配慮して撮影を進めていきました。



『ナイトボーン -夜哭-』Ⓒ 2025 Elokuvayh/ö Komee4a Oy, Filmai LT, Bluelight, Getaway


Q:セイディ・ハーラ、ルパート・グリントをキャスティングされた経緯について教えてください。


ベルイホルム:脚本を書いている段階から、サーガ役にはセイディ・ハーラをイメージしていました。つまり、当て書きだったのです。カンヌで受賞した『コンパートメントNo.6』(21)でしかセイディを見たことはなかったのですが、本作とは全く異なるキャラクターではあったものの、彼女の中に繊細さと強さ、そして演技における“ある種の真実味”を見出すことができた。サーガは彼女にしか演じられないと直感したんです。


一方、夫であるジョンのキャスティングは長い道のりでした。イギリス人俳優、あるいは国際的に活躍する俳優である必要があったのですが、そうしたキャスティングは往々にして複雑になりがち。そこで、ルパート・グリントが思い浮かびました。ルパートには地に足のついた雰囲気がとてもありますし、彼ならフィンランドの田舎に引っ越してくるかもしれないと思わせる説得力があった。彼のリアルで温かみのある人柄が魅力的だったこともあります。


それに、二人がカップルとして並ぶ姿も自然に想像できました。彼に脚本を読んでもらって、前作『ハッチング -孵化-』も観てもらったところ、この映画に出演したいと言ってくれました。本当に素晴らしいことでしたね。





PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『ナイトボーン -夜哭-』ハンナ・ベルイホルム監督 恐怖という感情を扱うこと、内面を外形的に表現する【Director’s Interview Vol.585】