Ⓒ 2025 Elokuvayh/ö Komee4a Oy, Filmai LT, Bluelight, Getaway
『ナイトボーン -夜哭-』ハンナ・ベルイホルム監督 恐怖という感情を扱うこと、内面を外形的に表現する【Director’s Interview Vol.585】
リアルな身体性がある映画
Q:『ハッチング -孵化-』にも共通しますが、目を背けたくなるような生々しさ、観客の不快感を煽るような描写が本作の大きなアクセントになっているように感じました。
ベルイホルム:私は常にストーリーを第一に考えています。だからこそ、そういった非常に生々しい瞬間はすべて、ストーリーから生まれてこなければなりません。『ハッチング -孵化-』では、内なる痛みを隠そうとする少女が、最終的にそれが表に現れてしまうまでを描いています。その痛みを、どうしても見せたかったのです。
一方、本作では、出産を経て「自分が壊れてしまった」と感じる女性サーガの物語が描かれます。私は、彼女が抱く精神的、そして身体的な感覚を映像として表現したいと考えました。出産によって自分の体が変わり、その体を嫌悪するようになる心情を描きたかった。実際に、サーガは我が子が自分の体を変えてしまったと感じ、自分の体を気持ち悪いものだと思うようになる。不快さを描くことを通して、彼女が自分自身をどう感じているかを示したかったのです。
夫婦の間に亀裂が生じる場面では、親同士の争いが子どもにどのような影響を与えるのか、それがどれほどすべてを壊してしまうものなのかを描きたいと思いました。関係の崩壊は、まるで自分自身が壊れてしまうかのような感覚をもたらすものです。そうした感情を表現したいと考えました。

『ナイトボーン -夜哭-』Ⓒ 2025 Elokuvayh/ö Komee4a Oy, Filmai LT, Bluelight, Getaway
Q:技術的なアプローチとして、意識していることは何でしょうか。
ベルイホルム:私が何よりも重視しているのは、頭の中にあるイメージと、それをどう伝えたいか、どのように表現するかということです。技術的な面では、プラクティカル・エフェクト(実際に撮影をする特撮)を好んで多用しています。だからこそ、この映画にはリアルな身体性がある。
『スター・ウォーズ』シリーズのクリーチャー制作を手掛けたチームや、「ゲーム・オブ・スローンズ」(11〜19)や『プライベート・ライアン』(98)などを手掛けたSFXメイクアップ・デザイナーのコナー・オサリヴァンなど、『ハッチング -孵化-』でも一緒だった素晴らしいチームが今回も参加してくれました。頭の中にあるイメージを形にするにあたり、最高のスタッフと組み、可能な限り本物の実写的な要素を取り入れて制作したいと考えているのです。