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『八つ墓村』滝藤賢一 田治見要蔵はいかにして作られたのか【Actor's Interview Vol.52】

『八つ墓村』滝藤賢一 田治見要蔵はいかにして作られたのか【Actor's Interview Vol.52】

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昭和の時代から幾度となく映像化され、日本のミステリー界に燦然と輝く横溝正史の傑作「八つ墓村」。この金字塔がホラー映画の旗手・清水崇監督の手により、令和の時代に新たな恐怖とドラマを纏ってスクリーンに蘇る。本作で村を恐怖のどん底に陥れる狂気の象徴・田治見要蔵と、その跡取りである久弥の二役を演じたのが、日本映画界屈指の実力派俳優・滝藤賢一。とてつもないプレッシャーの中、誰もが知るあの強烈なキャラクターにどう挑んだのか。滝藤氏に話を伺った。


『八つ墓村』あらすじ

内定ゼロ、彼女ナシ。大学生・井川辰弥のもとに舞い込んだ母の訃報。奇妙な探偵・金田一耕助に誘われ、岡山県山奥に潜む「八つ墓村」を訪れる。封印された、ルーツと怨念の記憶が目を覚ます。村では、名家・田治見家の莫大な遺産の相続人である辰弥の帰還に合わせたかのように、不可解な連続殺人事件が発生。金田一耕助と共に、事件に巻き込まれてゆく。美しき未亡人・森美也子、双子の大叔母、不気味な村人たち ──。誰も知らない“八つ墓”の秘密が今明かされる ──。


Index


覚悟を決めて挑んだ、要蔵役



Q:滝藤さんのオフィシャルコメントがとても興味深く、最初にオファーが来た時は「いやいや、さすがにコレは、ハハハ、無理っす」と尻込みされたと書かれていました。


滝藤:そうですね(笑)。でも、巡り巡って自分に回ってきた役だと思いますし、「他の人にやられたら悔しい」という思いもありました。とはいえ、やはり山﨑努さん(77年版の田治見要蔵役)の印象はとても強く、「あれ以上はない」と今でも思っています。自分なりにどう演じられるか考えましたが、清水監督、スタッフ、キャストに助けられ、のびのびとやらせてもらいました。


Q:最初は逡巡されていたところ、オファーを受けたきっかけは何だったのでしょうか。


滝藤:“新しさ”ですかね。僕らの世代だと、『八つ墓村』と言えば77年版(監督:野村芳太郎)や96年版(監督:市川崑、田治見要蔵役:岸部一徳)だったりするのですが、今の若い人たちにとっては、今回の作品が彼らの『八つ墓村』になると思うんです。新しい歴史をつくる。そんな作品に参加できるなんて役者冥利に尽きます。


また、久弥が生き延びている今回の展開も良かったですね。原作だと久弥は最初の方で毒を盛られて死んでしまうので、何を考えていたのかよくわからないようなところもあった。それが今回は、久弥の人間味ある部分がすごく描かれていました。「これを演じさせてもらえるんだ」と興味深かったですね。



『八つ墓村』©2026「八つ墓村」製作委員会 ©Yokomizo Seishi/KADOKAWA


Q:要蔵は祟りに取り込まれてしまいますが、久弥は抗うような姿があったことも印象的でした。その違いにおいて留意された点はありましたか。


滝藤:意図的に何かを変えようとは思っていませんでした。要蔵と久弥は元々違う人間です。個々の人間として演じている感覚だったので、変化をつけようと思ったことはありません。清水監督もそのあたりは特におっしゃらず、2人を同じ日に演じることもなかったので、スケジュール的にもうまく分けてくださったのだと思います。


Q:オファーを受けた後、原作をとにかく読まれたということですが、そこから得るものはありましたか。


滝藤:日本を代表する世界的に有名な作品ですから、「これをやるのか」という恐怖を感じました。覚悟を決めないと生半可な気持ちでは臨めない。でも、やっぱり原作は面白かったですね。今読んでも全く古びない素晴らしい作品。若い頃に読んだ感覚と今とではまた違っていて、ここからまた20年〜30年経って読んだら、さらに違って感じるだろうなと。


僕は要蔵と久弥を演じると決まってから読んだので、どうしても彼らの目線で、彼らの味方になって読んでしまうところがありました。同時に、要蔵のモデルになったとされる事件(津山三十人殺し事件)のことも調べて読んでいたので、「どこがどうリンクするのか」と考えたりもしていましたね。




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